先日友人から低糖質ダイエットの極意を教わって、最近食生活が乱れがちだったので、よし!やってみるか!!と意気込んでみたものの、ほとんど全ての食べ物に糖分は含まれていて甘いもの好きの僕としては相当しんどいですけど、ここ二三日は耐えていたんです。

ですが、昨日家に帰ったらあれほど母にプリンだけは買わないでって頼んでおいたのにガッツリ冷蔵庫にありました。


プリンは妖艶な笑みで僕に微笑みかけてきました。


僕はここでプリンを食べる選択肢はあり得ないと排除しようとしました。ですが、思いとどまりました。


えっ、この空腹でぇ~



この糖質を我慢した状態でぇ~



逆にプリン食べたら上手くね?



今までの中で一番美味しいプリンなんじゃね?


と聡明な考えに辿り着いたので、僕は勢いよくプリンの蓋を開け、そして思いきり口に放り込んだ。



正直今まで食べたプリンの中でかなり上位に食い込んだと思うんだけど、一番のプリンには勝てませんでした。



一番のプリン



それは小学生の頃友人M君の家で食べた手作りプリン。


M君のお父さんが作ってくれたプリンでした。オジサンは土曜日になると必ずプリンを作るのだとM君は言っていました。


僕はそのプリンが羨ましくて、これが手作りの味と市販の差なのだと知り、家で母に頼んで作ってもらったり、自分で作ったりもしました。


でも、あの美味しさには到達出来ていなかった。


それからしばらくして僕の中のプリンブームも去り、高校になってからその頃仲の良かった友人のH君に聞いたのですが、実はM君のお父さんはH君のお母さんの友達のYさんと不倫関係にあって、当時、あのプリンはそのYさんに作っていたそうなのです。

その話を聞いた当時の僕は、世間は狭いなって事と、オッサンがプリンを作って持っていくってなんかカッコ悪いな。



不倫プリンって語呂がいいなぐらいしか思っていませんでした。



でも、今考えるとあのプリンは奇跡のプリンなのだと思います。

決して不倫を擁護してるわけではありませんが、平日はサラリーマンとして家族の為に働いて休日は人目を気にしながら恋人の為にプリンを運ぶ。


僕が食べたのよりもYさんが食べたプリンはまた違う味だろうし、もし、M君が二人の関係を知っていたら…


あのプリンはおんなじプリンでも、それぞれプリンの味は違ったのかもしれない。


僕は実はオジサンにも勿論Yさんにも会ったことがない。

オジサンの作ったプリンをただ食べただけだ。


知らないからこそ僕の中で美しく、そして知ってはいけない事を知ったという背徳感で、プリンはさらに僕の記憶の中で美化されていったのかもしれない。


その後二人とM君の家がどうなったのかは知らない。


とりあえず分かる事は低糖質ダイエットは続かないってことですね。



あなたにとって一番のプリンはなんですか?