ゆるキャラに出会いました。


一昨日、滅茶苦茶暑かったですよね?


でも、僕その日に着ようと思った服は絶対に暑かろうが寒かろうが着る主義、そして後々後悔する主義なのですが。


その日は真っ赤なチェックのシャツを着たい気分で外に出た瞬間…あっ、間違えたと思ってバックに入れようと思ったのですが…



僕この赤チェックを着るために、いつもより一時間早く起きて、アイロンをかけそしてシャワーを浴びて赤チェックに備えたんです。



全ては赤チェックの為に。



この赤チェックへの努力を無にしたくないんで僕は腰に赤チェックを巻きました。


正直笑えないくらい代謝がいいんで、腰周りがインフェルノでした。


途中、何度も帰りたい、帰りたい、腰が暑いって思いました。


それで駅のホームになんとかたどり着いたのですが、電車が行ってしまったばっかでなかなか電車が来ないわけですよ。


僕の横には一人お婆さんが読書をしながら立っていました。僕も普段なら読書をしているのですが、そん

な余裕はありません。


すると、しばらくして黒渕メガネのおばさんがお婆さんの斜め後ろにやってきました。



電車はまだ来ません。



僕はいよいよ限界になり、苦渋の決断の末、腰に巻いた赤チェックをバックにしまうことにしました。



それは、本当に一瞬の出来事でした。



僕がバックに赤チェックをしまい、顔を上げると先程お婆さんの斜め後ろにいたおばさんが、お婆さんの真横に立っていました。


僕、お婆さん、おばさんという構図。


それはあまりにも不自然な三列で、よく三列で並べる駅とかありますがそういう感じではなく、本当に違和感しかないのです。


僕は「嘘だろ?」とボソッと呟きました。


やがて、電車が来るとおばさんはしれっとした顔でお婆さんよりも真っ先に電車に乗り席を確保しました。



おそらくその席への執着心は僕の小学生の頃よりも凄かったはずです。



しかし、運の悪いことに僕の座った席がおばさんの対角線上でした。



見るつもりはないのにどうしても見てしまう最悪な位置。



おばさんは相変わらず、らいざっぷの一周する前の活力の全くない表情をしていました。



そして、ときどき目があい、お互いに気まずくなりました。


どうして抜かされた僕が気を使わなきゃいけないのだろう?


互いに携帯をいじったりしていても互いを意識しあっているような...



長い長い30分でした。



すると、だんだんとこのおばさんのしれっとした顔に愛着が湧いてきました。


僕はしれっとした顔のおばさんを一つのキャラクターとして認識していました。



あっ、この人...ゆるキャラだ...。



どうして世間でゆるキャラがもてはやされているのか...。



ゆるキャラが愛される理由がなんとなく分かりました。