「夏休み」...それは、学校から解き放たれた少年少女達が様々な出会いや経験を経て成長する期間、時間。



前にNHKの「Rの法則」で、「夏休み何があってん!?」というコントをしました。


それは、夏休み中に何かが起きて、夏休みが明けたらクラスメイト達がめちゃくちゃイメチェンしているというコントです。



確かに、夏休み中、色々な事があって皆ある程度変わりますよね。

髪型が変わってたり、服装のジャンルが変わってたり、普段インドア派な子が「え、何してたの?」ってくらい日焼けしてたりとか。



それでも、どんなに外見は変わっても、中身ってこの短い期間でそんな変わらないだろうなぁ~って思ってたんですよ。



僕...夏休みなめてました。



こないだ、用事があって、まだ夏休みが半分もあるのに学校に行ったんですけど、そこで久々にY君に出会いました。

Y君とは仲がいい方なのですが、お互いあまりマメに連絡を取るタイプではないので、夏休みに入ってからは一度も連絡をとっていませんでした。



結論から言います。





Y君めちゃめちゃ変わってました。





まず、どんな風に変わっていたのかを話す前にY君がどういう人物なのかを話す必要があります。


Y君は体を鍛えていて、運動神経もよく、放課後、常にストイックに筋トレをしているよーなイメージです。
あごには高校生らしからぬ髭を生やしていて、よく窓の外を眺めていてアウトローな雰囲気を醸し出している、

誰の心の中でも彼は、きっとワイルドの象徴でした。


Y君がワイルドな行動をとる度に、僕の中で「Y君は本物なんじゃないか?」という疑問が募っていました。



そんなある時、疑問が確信に変わる出来事がありました。



体育の後、Y君の髪がビショビショに濡れている時がありました。



ですが、シャワー室を使った痕跡はなく、トイレで洗うわけはないし...



だから、僕はY君にどうしてビショビショなのか聞こうかと思いましたが...すぐに思い留まりました。



僕の頭の中で一つの可能性が生まれたからです。



(Y君、飲んでたペットボトルを頭にぶっかけたんじゃないかな?)



いやいや、確かにアクション映画とかで、筋トレを終えた主人公が飲んでた水を頭からかぶったりしてフゥーーって言う感じカッコいいけど。




Y君...君は、まさか...




しかし、言葉はいりませんでした。


Y君の右手にあった空になったペットボトルが全てを語っていました。


(あっ...Y君...本物なんだ。)



ずっと、Y君は本物なんじゃないかと思ってましたが、やっぱり本物でした。



しかし、こないだ会ったY君はワイルドとはかけ離れた存在でした。


あの蓄えられた髭は存在しなく、髪型は清潔感で溢れていて、そして顔は...凄い化粧顔でした。



「え...もしかして化粧してる??」


「あー、分かっちゃう?してるよ。」


「なんでー?」


「妹がさー、ここのファンデーションいいって言ってるんだよねぇー。」



「........」



『夏休み何があってん!?』



夏休みにY君に何があったのかは、今となっても分かりません。


Y君の本質はもしかしたら、ワイルドじゃなかったのかもしれないし。


ただ一つだけ言えることは、別れ際にY君がみせた、あの後姿のガッツポーズだけは...



確かに本物でした。



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■「るろうに剣心」 監督/大友啓史
 京都大火編  2014年8月1日(金)公開
 伝説の最期編 2014年9月13日(土)公開

に門下生役で出させて頂きました。

このような素晴らしい作品に出させて頂いて本当に勉強になりました。

もっともっと精進していきたいと思います。