先日、おじいちゃんに呼ばれて謎の新年会に顔を
出したんですが、
そこにはおじいちゃんと同じ70代くらいの人達が沢山いて、
皆さんワハハハ、オホホ笑っていて本当に楽しそうでした。
初対面の僕にもこれ食べな、あれ食べなと凄く親切にしてくださり僕も本当に楽しかったです。
そして、カラオケ大会の流れになり、皆さん、僕が聞いた事もないような音程の歌を歌ってらしたのですが、
その表情も凄く楽しそうで、見ている僕も楽しくなってしまい、時間がとてもゆったりと流れている気がして心地良かったです。
皆さん音頭をとられていて、でも、その音頭をみた瞬間僕の温度が一気に下がりました。
あの…、音頭が皆異様なんです。
気持ち悪いんです。
手を、手をすりすり、すりすり揉むんです。
手をもみながら一回転させてまた手を叩く。
それの繰り返しです。
しかも、それをおじいさんもおばあさんも皆やってるんです。
始めに長ネギみたいな髪型のおじいさんが音頭をとって、それから隣に座っていたおばあさんに伝染して、一斉に広まっていった気がします。
音程にあわせてスリスリしてるんです。
しかもそのスリスリも皆揃ってるんです。
掛け声を「あ、ヨイショ!」
とかけてる人も中にはいました。
僕らでいうタンバリンの役割なのでしょうか。
そこには、先ほどのゆったりとした空気は存在しなかった…
本能の赴くままにスリスリと手を揉み一回転させてまた叩く。
これは、アレです....
バイオハザードです。
スリスリ、スリスリ手を揉み、音頭をとる。
おじいちゃん達のその姿はそう、ゾンビです!!
人間達の血肉をくらいどんどん伝染させていく。
映画「バイオハザード」ではゾンビに噛まれたものはゾンビになってしまいます。
もしかして、アンブレラ社の回し者か。
噛まれたら終わりだ…。
僕は必死で逃げ回りました。
結局最後は僕以外のほとんどの人達は皆ゾンビになってました。
そして、ゾンビ達は顔を赤くしながら
「二次会行くぞぉ~。」
と夜のトバリに消えて行きました。
あの音頭はいったいなんだったんだろうか?
家に帰って何気なく歌のフレーズを口ずらんでいると、
視線を感じて…
ドアの方を見ると、
弟が目を点にしてこちらをみていました。
ふと、自分の手を見ると、
手はほんのりと赤くなっていました....
しかし、彼に意思は存在しなかった。
そこにあるのは手を揉み音頭をとりたいという衝動だけ…そう、彼もまたゾンビなのである。
そして、今宵もまた、宴は開かれる......