徒然草 第六十四段 | くにたち蟄居日記

徒然草 第六十四段

 この段では兼好は、あるランクの牛車に乗れる人の話をしている。これは例えば「会社の役員である

ならば新幹線のグリーン席に乗っても良い」というような話と同じような話のようにも見える。

 

 新幹線のグリーン席や飛行機のビジネスクラスに乗ることが出来るランクは何かということは

サラリーマンにとっては普遍的な話題である。若しくは、欧米であるなら給与交渉の一部として、

「出張の際のフライトのクラス」であるとか「宿泊先のホテルの部屋のランク」が協議されるとも

聞く。個人的には余り本質的な話ではないと思ってきている。それは僕の体が大きくないので

スペースが死活的な問題ではないからかもしれない。

 

 一方、この手の話は「他人への見せ方」という点にも収斂する事は理解しやすい。「一定以上の

ランクの座席や部屋を使うことが許される立場である」ことが明示的にあることが心地よいという

点は分かりやすい話ではある。

 

 というような事を考えていると、兼好の時代も今の時代も、人間というものは余り変わっていない

という事と思わざるを得ない。虚栄心は人間の本能であると考える方が正しいのかもしれない。