自然は曲線を創り、人間は直線を創る
「自然は曲線を創り、人間は直線を創る」
ーー 「本の中の世界」 177頁 湯川秀樹 --
理由を湯川はこう説明している・
「特別の理由なくして、偶然に直線が実現される確率は、その他一般の曲線が実現される
確率に比して無限に小さいからである。し からば人間は何故に直線を選ぶのか。それが最も
簡単な規則に従う意味において、取扱いに最も便利だからである」
取扱いに便利なものという言葉に湯川の人間観が出ているとも言えるかもしれない。便利さを
求める心は人間の進化の大きな要因であったことは間違いないからだ。その結果「直線」という
極めて非自然的なものを創ったということなのだろう。そう考えると身近にいくらでも転がっている
「直線」もなにやら不思議なものに見えてくるから、不思議ではある。