「検証 バブル失政」 軽部謙介

僕は併読型だが、本作を読み始めると他の本は手に取らなくなった。臨場感溢れる一冊であり、金融に詳しくなくても勉強になりつつ楽しく読めた。
僕自身がバブル世代であるので本作を比較的理解し易い年代かと思う。ある時期、日本が極めて自信過剰に
なっていたことを本書は忌憚なく描き出す。バブルの発生と崩壊は、その時代の固有で様々な要因に帰することも可能だろうが、長い目で見た場合には、ある種の人間の業というものがそこにあると僕は思う。
僕自身がバブル世代であるので本作を比較的理解し易い年代かと思う。ある時期、日本が極めて自信過剰に
なっていたことを本書は忌憚なく描き出す。バブルの発生と崩壊は、その時代の固有で様々な要因に帰することも可能だろうが、長い目で見た場合には、ある種の人間の業というものがそこにあると僕は思う。
日本の場合にはやはり「第二次大戦での徹底的な敗北」が産んだ劣等感と、「そこから這い上がってきた」
という優越感がバブルの端々に香っていたと思う。「盛者必衰の理」とは平家物語の一節だが、バブルの頃の
僕らは、平家物語を編んだ鎌倉時代の人たちよりも「理」が分かっていなかった。そう断じられても、ぐうの音も
出ないかもしれない。
この時代になぜ作者はバブルを論じているだろうかと考えることは重要だ。
一つには、時間が経ち、評価が定まってきたということもあるのかもしれない。バブルを
論じた本はバブル崩壊直後から沢山有ったと思う。どの本もある種の結論は出していたにせよ、
結局は「中間報告」に過ぎないという面もあったような印象を受ける。勿論本作もかような
「中間報告」の一冊になってしまうかもしれない。但し、それでも本作は貴重な歴史の証言
になるのでないかと思われる。
本書に登場する人々は、優秀な方ばかりだったはずだ。そんな優秀な「レミングたち」が
まっしぐらに水に向かって走っていった時代があったということなのだろうか。