徒然草 第五十四段

「普通以上に趣向を凝らそうとすると、かえってつまらない結果に終わるものだ」という兼好の結論
が光る段である。
例えば食事をしていても、「美味しすぎる味」というものがある。「美味しすぎる」とは一見は褒め言葉
であるが、僕は褒め言葉としては使わない。むしろ否定的な意味で使う場面が多い。
これはセブンイレブンの鈴木という方の受け売りであるのだが、「美味しすぎるもの」は必ず「飽きる」
ものであるという面がある。鈴木という方はコンビニの弁当の味を表現する際に「美味しすぎてはいけない」
と言われるそうだが、その感覚はなんとなく理解できる気がしている。結局、際立つ味というものは
その「際立ち」の為に、いつしか「くどさ」に変わってしまうのだと思っている。
兼好の話は食べ物の味についてではない。但し、どこか通底するものがあると僕は思っている。
なお本段には「林間に酒を煖めて紅葉を焼く」という白居易の詩文も引用されている。今読んでいても
美しい風景ではある。冒頭の写真はネットで探してきたものだ。