「そこのみにて光輝く」  | くにたち蟄居日記

「そこのみにて光輝く」 

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 DVDになったことで漸く鑑賞する機会を得た。

 結論的に言うと最後の二人の海辺のシーンが素晴らしい。あの場面自体を切り出して本編を
見ていない方に見せても、その美しさは分からない。なぜなら特に画面的に美しい場面では
ないからだ。但し、それまで2時間近く本編を観てきた僕らにはラストシーンの美しさが
際立つ。本編はラストシーンに全てを賭けた一作と言える。

 物語においても、風景においても、美しい場面は無い。丁寧に排除されている。敢えて言うなら
祭りの場面には、なにやら懐かしい美もあるにはあったのだが、続く乱闘において全て
ぶち壊しになってしまう。主人公にしてもヒロインにしても重い物を抱えて、その重さで足元が
ふらふらしているだけだ。極めて飲酒している場面が多い作品だが、足のもつれは酒の為なのか
抱えたものの重さなのかも定かではない。

 その重みは最後の場面でも解消されたわけではない。むしろ、物語の始まりよりも重みは
増しているかに見える。
 但し、重みをしょって立つ「足」自体はしっかりしてきている。「足」が「脚」になったという
言い方をしたら、ややあざといかもしれないが、僕らには二人が今後自分たちの「脚」で歩いていく
場面が十分見える。そんな「視野」を僕らがラストシーンで獲得できることが本作を鑑賞する
ということなのだろう。

 池脇が素晴らしい。美少女コンテストなどから出て来た方であると聞くが、堂々たる女優である。
安っぽいラブストーリーに出る必要がない格が出てきている。「ジョゼと虎と魚たち」以来
彼女の映画は楽しみにしている。