「甘い鞭」 石井隆

この映画に出演された方と話す機会があったことで鑑賞した。
石井隆の映画は初めて見た。敢えて言うなら、以前鑑賞して結構好きになった相米慎二の「ラブホテル」は脚本が石井隆作であるので二作目であるとも言えるかもしれない。監督は違えど、脚本家が同じであるなら、やはりその方の色は濃く出てくるものだ。本作も「ラブホテル」に似ているとも言える。特に全編がほぼ夜という点などは。
本作はどのように理解すべきなのだろうか。
ほかの方も書かれていたが、本作を性的な期待だけで観ることは案外難しい。性的嗜好は実に多岐に渡っており、本作を極端に好まれる方も結構いらっしゃるかもしれないが、そうではない方も多いだろう。石井隆が表現したかったのは出演女優のヌードだけではなかったはずだ。
母に拒絶された娘の話と言えるかもしれない。
高校時代に監禁された主人公は監禁犯を殺害することで解放された
代わりに母親に拒否された。母親の代わりに女医に優しくされたことで主人公は不妊治療の女医になる。女医である間の主人公は子供に恵まれない夫婦に対して母親であるような対応を続けている。その場面の主人公は慈母と言って良い。
但し、監禁時に受けた暴行により、主人公には結論的にはSMへの嗜好が生まれた。SM嬢としての主人公はまさに高校時代の監禁を追体験を求めている。本来なら自分の人生を捻じ曲げた不幸な体験を、再度求めざるを得ない所に追いやられたのも母親に捨てられたからのように描写されている。末期癌に苦しむ母親に対して主人公が見せる愛憎の混ざった表情は忘れがたい。
このように考えていくと父親に関してはそもそも不在としか言いようがない。父親の出演場面は限定されている。監禁犯も彼自身がマザーコンプレックスの下にある、ある種のゆがんだ男性であると描かれる。SM客やSM店の店員も男性であるが、いずれも監禁犯と同じ立場と言って良い。その意味では「男性不在の映画」とも言えるのかもしれない。
女優のきっぷのよさが際立った作品と言える。主演女優、助演女優ともに体を張った演技であり、その点には感銘を受けた。男優であそこまでやれる人はいるのだろうか。
石井隆の映画は初めて見た。敢えて言うなら、以前鑑賞して結構好きになった相米慎二の「ラブホテル」は脚本が石井隆作であるので二作目であるとも言えるかもしれない。監督は違えど、脚本家が同じであるなら、やはりその方の色は濃く出てくるものだ。本作も「ラブホテル」に似ているとも言える。特に全編がほぼ夜という点などは。
本作はどのように理解すべきなのだろうか。
ほかの方も書かれていたが、本作を性的な期待だけで観ることは案外難しい。性的嗜好は実に多岐に渡っており、本作を極端に好まれる方も結構いらっしゃるかもしれないが、そうではない方も多いだろう。石井隆が表現したかったのは出演女優のヌードだけではなかったはずだ。
母に拒絶された娘の話と言えるかもしれない。
高校時代に監禁された主人公は監禁犯を殺害することで解放された
代わりに母親に拒否された。母親の代わりに女医に優しくされたことで主人公は不妊治療の女医になる。女医である間の主人公は子供に恵まれない夫婦に対して母親であるような対応を続けている。その場面の主人公は慈母と言って良い。
但し、監禁時に受けた暴行により、主人公には結論的にはSMへの嗜好が生まれた。SM嬢としての主人公はまさに高校時代の監禁を追体験を求めている。本来なら自分の人生を捻じ曲げた不幸な体験を、再度求めざるを得ない所に追いやられたのも母親に捨てられたからのように描写されている。末期癌に苦しむ母親に対して主人公が見せる愛憎の混ざった表情は忘れがたい。
このように考えていくと父親に関してはそもそも不在としか言いようがない。父親の出演場面は限定されている。監禁犯も彼自身がマザーコンプレックスの下にある、ある種のゆがんだ男性であると描かれる。SM客やSM店の店員も男性であるが、いずれも監禁犯と同じ立場と言って良い。その意味では「男性不在の映画」とも言えるのかもしれない。
女優のきっぷのよさが際立った作品と言える。主演女優、助演女優ともに体を張った演技であり、その点には感銘を受けた。男優であそこまでやれる人はいるのだろうか。