「キャプテンフィリプス」  | くにたち蟄居日記

「キャプテンフィリプス」 

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 ソマリアの海賊の話は新聞で良く見ていたが、実態がどのようなものか知らなかった。実話
に基づくという本作を観てある程度のイメージを持つことが出来た。

 本作のテーマを考えることは案外難問である。主人公のリーダーシップということに見えるが
本当か。

 主人公は比較的無策に海賊の侵入を許した人物であるとも見える。航路上のリスクを
理解しつつも、防御においては弱い。例えば映画の冒頭で海賊除けの門の鍵をしっかり掛ける
ような指導をしていたが、その鍵は掛けられていても海賊の機関銃で一瞬にして破壊されて
しまっている。これには観ていた僕もちょっと茫然としてしまった。要は海賊の持っている
であろう武器の威力を全く過小評価していたということだ。

 次に主人公は単独で人質になる。自分が人質になったことで他の船員を守ったことになる。
この点はある程度は確かかもしれないが、観ている限り、海賊の要求でそうなっただけとも
見れる。従い、主人公が決して能動的に自らを犠牲にしようとしたとまでは見れない気もする。

 要は、非常に正直な映画なのだと思う。主人公もヒーローの様で、結構アンチヒーロー
なのだ。その正直さは実話から来ているのかもしれないし、トムハンクス自身の意向でも
あったのかもしれない。従い、逆にある種の信頼性を本作に感じた次第だ。

 本作を信頼した上で海賊の造型をどう見れば良いのか。多くの方が言われている通り、
本作の海賊には大変リアリティーを感じる。俳優も実際にソマリアの方がおやりになった
とのことだが、彼らがどのような想いでハリウッド映画に出演したのかを考えることには
意義があると思う。本作で描かれるソマリアが本当の姿なのかどうか。それを
まさに彼らに聞いてみたい。