「シルクロード」 喜多朗

大学生の一夏を襟裳岬の昆布採りの漁師の家で過ごしたことがある。
もう三十年も前の話だ。
一か月を北海道で過ごすというアルバイトは、東京生まれの東京育ちの僕にはいかにも魅力的な
ものである。とはいっても青函連絡船で早朝の函館に着いたときの心細さは今でも覚えている。
夏とはいえ、かように北海道は寒いものかと驚いたものだ。
一か月を北海道で過ごすというアルバイトは、東京生まれの東京育ちの僕にはいかにも魅力的な
ものである。とはいっても青函連絡船で早朝の函館に着いたときの心細さは今でも覚えている。
夏とはいえ、かように北海道は寒いものかと驚いたものだ。
昆布をしまう倉庫の屋根裏部屋に寝泊りした。綺麗な部屋で窓から霧に煙る海岸を
眺めたものである。そんな際に持ってきた喜多朗の「シルクロード」を良く聞いたものだ。
ということで、今でもこの曲を聴くと僕は北海道を思い出す。大学を卒業し、いくどか
東南アジアに住んだが、この曲は実に人気があり、よく聴く機会があった。今週も出張先
のスリランカで聴いたばかりだ。異国の地で聴く「シルクロード」で北海道の霧を
思い出すのも僕くらいなものかもしれない。