「踊る猫」 折口真喜子

日刊ゲンダイでの紹介を読んで購入した。
夢枕獏の「陰陽師」にも似た怪異譚である。但し蕪村を主人公としている分時代が下っており、中世の
あやかしの物語ではなく、近世のファンタジーである点で若干趣も違っている。また内容においては
俳句の「軽み」ともいうべき軽妙洒脱さはありながらも、きちんと書き込んでいるテーマは密やかな重さも
湛えている。あっさり読めても案外ずしんとくる作りとなっていると言える。
個人的な難点としては文中に出てくるカタカナにいくつか違和感を感じる場面があった。これは著者の
作戦なのかもしれない。ともすると古風な方向に流れてしまいそうな題材に幾分か異物を混ぜ込むことで
読者になんとなく居心地を悪くさせるという戦術は確かに一つあるとは思う。但し、「居心地良く」
読んでいた僕としては、アサリの中に砂を噛んだような気もした。
「夜の鶴」が一番好きである。子を持つ親として、これは読んでいて正直辛い。但し、最後の明るさが
救いでもある。こういう結末をかける著者の人間の幅には感銘を受けるしかない。
新人、とのことらしいが、楽しみな方である。
夢枕獏の「陰陽師」にも似た怪異譚である。但し蕪村を主人公としている分時代が下っており、中世の
あやかしの物語ではなく、近世のファンタジーである点で若干趣も違っている。また内容においては
俳句の「軽み」ともいうべき軽妙洒脱さはありながらも、きちんと書き込んでいるテーマは密やかな重さも
湛えている。あっさり読めても案外ずしんとくる作りとなっていると言える。
個人的な難点としては文中に出てくるカタカナにいくつか違和感を感じる場面があった。これは著者の
作戦なのかもしれない。ともすると古風な方向に流れてしまいそうな題材に幾分か異物を混ぜ込むことで
読者になんとなく居心地を悪くさせるという戦術は確かに一つあるとは思う。但し、「居心地良く」
読んでいた僕としては、アサリの中に砂を噛んだような気もした。
「夜の鶴」が一番好きである。子を持つ親として、これは読んでいて正直辛い。但し、最後の明るさが
救いでもある。こういう結末をかける著者の人間の幅には感銘を受けるしかない。
新人、とのことらしいが、楽しみな方である。