「保科 正之」  中村 彰彦 | くにたち蟄居日記

「保科 正之」  中村 彰彦

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 今回の震災関係の新聞記事の中で、本書を紹介していたものがあり、読む機会を得た。

 保科という方は、江戸時代の明暦の大火等に対応した方だ。将軍を支えるナンバー2という存在であり、例えば今の官房長官のような存在だったのかもしれない。

 本書を読んでいて、改めて思ったことは日本の歴史は災害の連続であるということだ。人口が増え、町が大きくなるにつれて、災害の規模も大きくなる。本書で紹介された明暦の大火でも実に11万人近い死者が出たという。その災害に際して、保科はご飯の炊きだしを行い、巨額の義援金を幕府から出させたという。幕府の中には幕府財政を懸念する声もあったらしい。それに対して 保科は「こういう時の為に幕府にて蓄えを行っているわけであり、それを有効利用出来る時が来たということは大いに喜ばしいと考えるべきだ」と退け、窮民救済に乗り出したという。

 この部分において、僕が読んだ新聞記事では、今回の大震災の政府の対応と保科の対応を比較するものだった。勿論単純な比較をすることは、却って現実を見えにくくする可能性はある。但し、繰り返すが、日本の歴史は災害の歴史であり、その過去に学ぶべき点は多いということだ。現在、まだ災害が続いている中で、僕らはどのような後世の評価を得るのだろうか。