「新自由主義と権力 ―フーコーから現在性の哲学へ」 佐藤嘉幸 | くにたち蟄居日記

「新自由主義と権力 ―フーコーから現在性の哲学へ」 佐藤嘉幸

イメージ 1
 
本書は二部に分かれる。前半は「新自由主義」の解釈であり、後半は「新自由主義」への対抗策となっている。
 

 前半は極めて興味深く読めた。新自由主義とは自由放任では全く無く、むしろ、競争原理をあらゆる社会に徹底するという権力に基づくという解釈には目から鱗であった。

 僕らの身近にも競争は満ち満ちている。受験に始まり、就職、就職後の仕事、結婚等においても「競争原理」とは非常に日常的な概念だ。「フェア―な競争」という「呪文」もある。そのフェア―という美名の元に勝者は賛美され、敗者は「自己責任」という「敗因」を抱え込んで退席するという場面は良く見られる。最近の格差社会~貧困社会もこの延長上にあるわけだが、そもそも「競争原理」を社会の至る所に埋め込み、それを日常化したことが始まりだったと考えると、この世の中の風景も違って見えてくる。



 後半は、それに対する「処方箋」部分なのだろうが、僕にとっては非常に難解な部分であった。フランス現代哲学に対する知見が無い僕の能力を越えているというしか無く、これは今後勉強するというしかない。