「希望格差社会」 山田昌弘

2004年の本が2007年に文庫化され、それを2010年9月に読んだ。
一点目。高度経済成長の日本を、「職業・家庭・教育の安定」で分析した点は非常に納得が行った。特に受験競争を職業選択のパイプラインであるとした上で、それを一種の「あきらめのシステム」に仕立ててあったという説明には目から鱗が落ちた。
受験と言う制度と職業選択をリンクするに際して、必ずしも思うようにいかなかった人にも「あきらめ」という形で納得させてきたシステムだったという著者の指摘は鋭いものがある。
二点目。著者は表題の通り「希望」が持てるかどうかという部分に日本の社会の強弱を見ようとしている。
本作は2004年に書かれ、2007年に文庫化された点を勘案するとしょうがないのかもしれないが、その後の日本を襲った「貧困問題」まではくっきりとは視野に入っていない。というか、おそらく2004年以降に状況が更に悪化したということなのだと思う。
希望が持てるかどうか以前に、貧困に苦しむ多くの日本人が「発見」されたことが、2007年以降の数年の特徴だ。本書では「富める人」と「貧しい人」との二極化までは説明しているが、その「貧しさ」がどういうものなのかという点において、まだ楽観的だったのではないか。
「格差社会」には、まだ議論の余地は多いが、「貧困社会」には議論の余地は少ない。本書で著者は1998年を格差が発生しはじめた年と位置付けているが、その10年後の2008年のリーマンショックが、貧困を浮かび上がらせた新しい節目の年だったのかもしれない。
一点目。高度経済成長の日本を、「職業・家庭・教育の安定」で分析した点は非常に納得が行った。特に受験競争を職業選択のパイプラインであるとした上で、それを一種の「あきらめのシステム」に仕立ててあったという説明には目から鱗が落ちた。
受験と言う制度と職業選択をリンクするに際して、必ずしも思うようにいかなかった人にも「あきらめ」という形で納得させてきたシステムだったという著者の指摘は鋭いものがある。
二点目。著者は表題の通り「希望」が持てるかどうかという部分に日本の社会の強弱を見ようとしている。
本作は2004年に書かれ、2007年に文庫化された点を勘案するとしょうがないのかもしれないが、その後の日本を襲った「貧困問題」まではくっきりとは視野に入っていない。というか、おそらく2004年以降に状況が更に悪化したということなのだと思う。
希望が持てるかどうか以前に、貧困に苦しむ多くの日本人が「発見」されたことが、2007年以降の数年の特徴だ。本書では「富める人」と「貧しい人」との二極化までは説明しているが、その「貧しさ」がどういうものなのかという点において、まだ楽観的だったのではないか。
「格差社会」には、まだ議論の余地は多いが、「貧困社会」には議論の余地は少ない。本書で著者は1998年を格差が発生しはじめた年と位置付けているが、その10年後の2008年のリーマンショックが、貧困を浮かび上がらせた新しい節目の年だったのかもしれない。
そう考えながら読むと、非常に怖い。読後感は、背筋に来た。