「日本人へ 国家と歴史編」 塩野七生
塩野七生の著書「日本人へ 国家と歴史編」を読んだ。
著者の強みは二点ある。一つはイタリアという海外に永きに渡り在住してきたこと。一つは欧州の歴史から物事を照らして見ることができること。この二点が、塩野という方の背骨になっている。
それに加えて欧州の歴史というもう一つの強みがある。ローマ帝国とルネサンスという、世界史としても魅力ある時代を研究し、その上で、創作を行ってきたことで「見えてきているもの」が著者にはある。それも十分本書で実感される。
塩野という方は、つくづく 愛国者なのだろう。それが最終的な読後感である。彼女はカエサルを愛し、マキャベリを愛し、日本を愛していることがひしひしと伝わってくる。日本人の中で、著者の愛を受けられる人がいるかどうかは疑問なのだが、それでも「国」に対しての 塩野の愛情は誠に深い。そんな愛情に応えられるのかが問われているということか。