霊供膳(れいくぜん・りょうくぜん)とは、お葬儀や法要の際に仏さまにお供えするお膳のことで、原則としては精進料理ですが、様々なお料やご馳走を意味します。
先日、お寺さんには属さない家族葬なんだけど、ペットの供養で人柄を知っている私にお経をあげて供養してほしい!ということで、戒名なしのいわゆる音楽葬を、私のお経とナレーションで葬儀することになりました。
(全国のお客様から呼ばれて葬儀しておりますが、自分で言うのも変ですが、こんなお葬儀初めてと大絶賛されます)
施主さんと葬儀社との打ち合わせに同席しており、施主さんの意向を説明しながら、いつもの仏式のお葬儀とは違うことを葬儀社に伝え、開式のご案内だけしてもらえれば、あとは私がすべて致しますので、式が終わるまでごゆっくりしてくださいとお話するとビックリされました。
そりゃそうですよね。。。
いつもと違うのですからね。
なので、葬儀社さんも失礼があってはいけないと、あれこれ質問してくるのですが、他のお坊さんにとっては失礼なことなのかもしれないけど、私というお坊さんにとっては意味不明の事ばかりで、「あっ、いいですよ。自分でしますから。」「私は自分で出来ますから」と何度言ったことか。。。
最後に、仏式でないことは分かりましたが、仏前にお供えする霊供膳はいかがいたしましょうか?と聞かれたので、これは私の意向ではなく、施主さんの意向に従うものですから、質問は私にではなく、そちらにどうぞと伝えると、施主さんもどうしていいのか決めかねて、横田さんならどうされますか?と聞かれました。
ご丁寧にということであれば、仏前に霊供膳をお供えしていいと思いますが、ここの式場では仏前に挙げた後は下げるだけですよね。(と式場に確認をします)
私のいる地域では、仏前にお供えした後は、お寺の本尊様にお挙げして、その後お寺の誰かしらが頂戴しますけど、今回はそうなりませんよねぇ。
それだど、丁寧に霊供膳をお供えしただけして、その後処分してしまうのであれば、提供された命を口にすることなく、活かすことなく終わり、命の無駄をすることになり、何のための供養かわからなくなりますから、いらないんじゃないですか。
式場さんには売り上げにならず、申し訳ありませんが、その後の会食で私たちが談笑しながら美味しくお料理を頂いて、美味しさを伝え、和やかさで華を添えれば、それこそがご供養なんじゃないでしょうかね。
とお伝えしました。
すると、
そうよね~。その方が、母もきっと喜びます!それに、もう食べられないんだから、お供えするだけで無駄にするのは良くないよ。とご家族で相談され、霊供膳はなしとなりました。
その後のお話の中で、
葬儀が終わり仏前にご飯を供えると、翌朝カチカチに硬くなって捨ててしまうの私嫌だったのよね~。先ほどの和尚さんのお話からすると、母に何かお供えしてあげたいと思っても無駄にしてしまうから良くありませんよね~。横田さんはどう思いますか?
私の意見として、
お供えしたいものがあればお供えしてあげていいのですよ。
それをそのままにしているからダメなのであって、仏前にお供えして手を合わせたら、すぐに下げて自分が食べればいいのですよ。
自分で食べて美味しさを伝えればいいのですよ。(食レポのようにね!)
そうすれば、仏さまに差し上げる気持も叶うし、自分が食べれば命を無駄にせず、仏さまから授かったご利益のある食を頂くことになり、より体にも心にも良いことだと思いますよ。
だから、自分が食べる朝食を仏前にお供えして、お参りし終わったら、仏さまからの下げ膳として頂けばいいと思いますよ。
そしたら、
私たち夫婦はこう見えても、朝はパン食なんですよー。
パンでもいいんですかね~。
と言うのです。
だから、
私はいいと思いますよ。
美味しく、有難く、食べさせてもらえば、
その感謝の気持を仏さまは喜ぶと思いますよ。
葬儀社さん。ゴメンナサイ。
あれこれと売上になりませんで。。。
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私の著書:
「ありがとう。また逢えるよね。ペットロス心の相談室」双葉社
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」双葉社