コロナが噛みついた「マネー教」
お釈迦様の説いた六道輪廻と因果応報の投稿を書いていて、つくづく現代人は「マネー教」にどっぷりつかってしまっているんだなと言うことを痛感しました。もちろん私自身もその一人です。
お金がどういうものかというとはだれでも知っているでしょう。しかし、今世界経済を動かしているマネー資本主義が一つの宗教であると言ったら、「バカバカしい!」と一蹴にされるに違いありません。しかし、よく考えれば、間違いなくマネー資本主義は経済という枠を遥かに超えて、「マネー教」という一つの宗教となっているのです。
では、「マネー教」はどのような宗教なのか、宗教を構成する主要な要素を取り上げてちょっと考えてみましょう。
1.神仏の存在
神仏は存在しない
2.拝む対象
マネー = かね(金)
3.自然の見方・捉え方
生物学的な意味における 生物と物質の集合体
生命は死ねば物質に帰す
物質は生命を宿さない
ヒトは自然に君臨し、自由に自然を破壊し、加工し、搾取してよい
自然は経済的な価値の源泉
4.教義・経典
アダム・スミスやケインズなどの著名な経済学者の経済理論や著名な資本家や大富豪の言葉、
唯物科学
5.最高指導者(教祖・法王・総裁など)
いない
6.護持者
マネー資本主義体制と各国政府 、IMF.OECD.世界銀行など国際機関
7.主要教義
マネーは全て の全て
マネーは万能
マネーは永遠
(最高教義・最重要祝詞)
国家はマネーの最高教義を護持し、マネー経済を振興し、マネーの障害を最小限にする責務を負う
マネーを貪欲に追及するのが人間の最大の責務であると同時に最高の喜びである
金持ちになって物質的に豊かになることが人生の目的
政治の最大の目的は飽くなき経済成長と経済発展でマネー全盛の国家、豪華絢爛たる物質文化の華咲く国家を造ること
グローバリズムでマネーの障壁を取り除き、世界を統一する
8.人間の評価
金持ちが成功者
大富豪が最大の成功者
大富豪になって社会に金をばらまけば最高の栄誉
強欲・貪欲は美徳
品格や徳は不問ないし不要
愛も憐みも不問ないし不要
貧乏人は自業自得、同情の余地はない
このように見てくると、マネー資本主義経済が事実上「マネー教」という宗教であることがわかります。そして、マネー資本主義経済が世界中で導入されている現代は世界中の人々が「マネー教」を受け入れて生活していると言って間違いないと思います。その熱烈なる信者であるか、懐疑的なアウトサイダーであるかは個々人によって大きな差がありますが。
さて、新型コロナウイルスによって世界の経済活動が大幅に停止され、停滞する事態となってしまいました。今年の世界経済は1929年の世界恐慌以来の大不況となるとさえ言われています。コロナはヒトの命を奪うだけでなく、世界経済に大打撃を与えることで事実上「マネー教」に噛みついているのです。
ここは非常に重要な点です。経済の停滞が長引けば長引くほど、それに適応した生活と経済活動を余儀なくされて行きますが、それは「マネー教」にとっても大きな脅威となっていくことでしょう。例えば、急に不自由になった大都会生活を捨てて地方で地産地消、自産自消の田園生活を始める人が急増していけば、それは「マネー教」の信者を失うことを意味します。 今、「マネー教」離れが始まっています。
新型コロナウイルスにはそのような働きもあるのです。
小川誠さんの Facebook ページより