はたしてこの写真が、
いつどのようにして撮られたものなのか・・・
その日撮った写真を厳選している時に、
なんじゃこりゃーっと気づきました...
心霊写真にも見えるし、
遠くから見れば、
子供を抱いたマリア様に見えなくもない・・・
なんだかこわーーーいッ
ペテロとはイエスさんの弟子の一人で、
イエスが捕まった時に、
弟子の自分も捕まるのを恐れて、
〝 その人を知らず・・・ 〟
と三度言って逃げ去ると、
鶏の声がひびき、
その時に、
ある夜の師の言葉を思い出し、
激しい慟哭に沈むわけです・・・
〝 にはとり鳴く前に、汝三度われを否まん 〟
っとね・・・
師を裏切り、己を欺き、
その場から逃げ去るシモン・ペテロ。
不安と恐怖に苛まれたその灰色を、
一筋の天声が突き抜ける。
その刹那、
彼の足元から大地が抜け落ち、
空は崩れ去る。
顔を覆う両手は輪郭を失い、
哀れにも淡く霞みゆく・・・
師と仰いでいた頃の空は、
今や彼の心を押し潰し、
師の背中を見て歩いた大地は、
今や彼の足から逃げて行く。
幾度の自分を消し去りたい衝動も、
あまりに弱い己の不甲斐なさに、その力を失くす・・・
目はくぼみ、頬はやせ、色は去り、
昨日までのキリストと歩く自信と誇りは、
もはや彼の瞳に、その面影すら残さず・・・
全身を砕かれた慟哭の果てに、
いみじくも最愛の、
恩師の姿が目に浮かぶ。
その一瞬の光明をたよりに、
砕けた心をかき集め、
すがり昇る、金色 のゴルゴタ・・・
世界のカルマを一身に受け、
十字架を背負う、その切り刻まれた肉身に光る、
あの柔らかな恩師のまなざし・・・
その光の前に、ペテロの自分は剥がれ落ち、
天の父にただひたすらに、わがキリストの祈りを叫ぶ。
その祈りに彼はなく、世界もなく、
ただ一つのキリストの光明に、
わが恩師の肉身を乞う・・・
その祈りを聞きながらも、定まれし天の刻。
空は割れ、大地は轟き、
その涙に澄む瞳を見上げれば、
荘厳にして麗観な、
天使たちのファンファーレ。
その頂きから差す白光のなかを、
肉体を離れた神身のキリストが、
天の友たちと上りゆく・・・
その姿を心に刻み、
一の神言が響き宿る。
〝 われ、汝と共に在り 〟
そのときに、彼の不信は清め去り、
岩の信に成り変わる。
聖ペテロ、その歩みが今始まる・・・