今日は、意外と学校では教えてもらえない、
でもジャズをやる上ではかなり大事な話をしたいと思いま す。
ジャズのアドリブを練習している人から、こんな悩みを聞くことがあります。
「コード譜は読めるけど、実際に何を吹いたらいいのか分からない」
「家では吹けるのに、セッションになると急に頭が真っ白になる」
先に結論から言ってしまうと、ジャズのアドリブって、
実は思っているほど「曲ごとに全部違うもの」ではありません。
例えば『Bye Bye Blackbird』に出てくる Am7 → D7 → Gmaj7 と、
『I'll Close My Eyes』に出てくる Am7 → D7 → Gmaj7 。
コード進行が同じなら、そこで使えるフレーズも基本的には共通しています。
つまり、ある曲で覚えたフレーズを、別の曲でもそのまま使える ということです。
「え? そんなに使い回していいの?」と思うかもしれませんが、これがジャズの面白いところ。
……はい、いきなり結論を言ってしまいました(笑)💦
「ジャズは即興だから、その場で思いついたフレーズを演奏するもの」なんて言われますが……。
それを文字通り信じてしまうと、初心者は混乱します(笑)。
本番中に毎回、世界に通用するフレーズが次々と頭に浮かんでくるなんて、そんなの天才です💀
実際は、プロだって練習して身につけた「持ちフレーズ」を、その場のコードに合わせて使っています。
だから、 フレーズは使い回していい。むしろ、それが普通。
写真の森田さんには、クラブ系の本番に向けて制作しているパソコン音源をバックに、
トランペットでアドリブソロに挑戦してもらいました。
今回はA7一発 。コード進行は一切変わりません。
実は、こうした「一発もの」は決して簡単ではありません。
コード進行の変化がない分、逆に難しいものなのです。。。
先日のレッスンでは、そんな一発もののアドリブで使える
お決まりフレーズや決めフレーズ を覚えておくことの大切さをお伝えしました。
話を元に戻します
でもこれは、才能やセンスの問題ではありません。
ほとんどの場合、理由はとてもシンプルです。
「使えるフレーズ」が、まだ頭と指に十分に用意できていない
だけなのです。
セッションは「外国語での会話」によく似ています
ジャズのセッションでは、その場で演奏する曲が決まります。
よく出てくる「ツーファイブ・ワン」というコードの流れを代表するように、
色んなパターンのコード進行に合わせて、その場で演奏を組み立てていきます。
ジャズと外国語
少し想像してみてください。これは「外国語で会話をすること」ととてもよく似ています。
たとえば「私は今日、魚料理を食べました」 と言いたいとき。
(大阪弁では「私なぁ~、今日は魚料理食べてん」 ですね)
英語なら、なんとなく知っている単語で組み立てられる方も多いと思います。
では、同じことをイタリア語やフランス語で言うとしたら、どうでしょうか。
答えは↓(その地方の方言はご容赦ください)
イタリア語
Oggi ho mangiato un piatto di pesce.
(オッジ オ マンジャート ウン ピアット ディ ペッシェ)
フランス語
Aujourd'hui, j'ai mangé un plat de poisson.
(オージュルドゥイ ジェ マンジェ アン プラ ドゥ プワソン)
こうした単語を、あらかじめ知っていなければ、どんなに「話したい」という気持ちがあっても、
その場ですぐに言葉は出てきませんよね。
ジャズのアドリブも、これとまったく同じです。
- 単語 にあたるもの → ツーファイブのフレーズや、ブルースのフレーズ
- 文法 にあたるもの → コードの理論
- 会話 にあたるもの → その場でのアドリブ演奏
セッションで気持ちよさそうにフレーズを弾いている人も、
実はその場の思いつきだけで演奏しているわけではありません。
前もって練習して身につけた「フレーズ」という引き出しを、
その場に合わせてそっと取り出しているだけなのです。
ハッキリと言いますが、ジャズのフレーズは使いまわしです。
冒頭にも言いましたが、『Bye Bye Blackbird』に出てくる Am7 → D7 → Gmaj7 も、
『I'll Close My Eyes』に出てくる Am7 → D7 → Gmaj7 も、コード進行が同じなのでフレーズは一緒です。
そのまま使い回せます。
これはチェット・ベイカーの『Just Friends』の耳コピ―譜面なので、
曲のキーはDmaj7なので、「ツーファイブ・ワン」はE m7 → A7 → Dmaj7 となりますね?
フレーズが一つ増えるだけで、世界が広がります
「フレーズを覚えるなんて、ジャズらしい自由さがなくなってしまうのでは?」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、外国語の単語を覚えると会話が急に楽しくなるように、
使えるフレーズを一つ、二つと指に馴染ませておくだけで、
セッションの場で「あ、今このフレーズが使える!」という自由な楽しさを、初めて味わえるようになります。
最初は、シンプルなツーファイブのフレーズを一つ、
ご自分の「持ちフレーズ」にすることから始めれば大丈夫です。
1つの「ツーファイブ・ワン」もしくは1つのキー、それぞれに3つあれば十分です。
あと演奏できる曲が3曲あれば、もう生涯にわたってアドリブを楽しんでいけます♪
少しずつ、知っているフレーズを増やしながら、
一緒にセッションでの会話を楽しんでいきましょう。
上手くより、楽しく。
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