この日は啓蟄であった。
少し前までは、
「啓蟄って言っても旧暦と新暦はズレるし、
まだまだ寒くて虫なんて出て来てない」って感じてたのに、
なんだか、ここ二三年ぐらいだろうか、
季節の実感が伴ってきている。
サンシュユが黄色の花弁を開いていた。
春っぽい色だなぁ。
コブシの蕾も膨らみ始めた。
地表ではヤブカンゾウの芽がズラッと並んで出て来ていた。
これもまた春の色ですな。
水辺にはタネツケバナが咲いてる。
空模様は思わしくないが、薄日が差すと暖かい。
ぁツクシが出とる。
オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザが早咲き乱れ、
その中を飛び回る虫がいる。ハナアブ…かと思いきや。
ミツバチかな。
春だねぇ。啓蟄だねえ。
梅の花にも沢山来ていた。
キタテハも日向ぼっこ。
鳥達はといえば、シジュウカラが囀りまくり、
エナガ、コゲラも活発。
メジロが藪から飛び出しては、
騒いで、
浮かれているようだ。
イカルは群れで地上で採餌。
トビが上空を旋回。
あんなに多く居たシメの姿が減っている。
ツグミはちょっと戸惑い気味。
ウグイスは流石に未だ地鳴き。
おっと出て来た。
そろそろ囀りだすかな。(甲府ではこの日初鳴きが確認されたそうだが)
でも、あまり早いのも考えもんだよな。
季節感が狂っちゃうな。
帰宅したら、我が家の小さな庭では、
沈丁花が香り。
クロッカスが開き。
もう終わったと思ってた福寿草が、
遅れてもう一輪出て来て咲いていた。
人も花も、みんな一律に咲くわけじゃない。
少しくらいズレても、みんなと同じじゃなくても良いんだよ。
必ず春は来る。
大学生活で足踏みする我が息子に、
心の中で、そう語りかけた。。