バナナ叩き売り | 寺子屋 つむぎ

寺子屋 つむぎ

 
   紙芝居の爺々軍団は
     今日も お寺や、神社や、公園に!
        秋には 里芋で 幻の 「おくづかけ」

           Variety is the spice of our life.


     
     
     
        

バナナ叩き売り口上

 

 

手前生国発しまするは みちのく仙台でございます

広瀬の河原で産湯を使い

団塊世代は勇しく

詰め襟服は穴だらけ

破れ帽子に高下駄履いて

昭和の39 10月10日

日の出の会館5階には

東北初のカラーテレビジョン

東京の空は青かった

忘れはしない

五輪のマーク

そこの兄さん何色か知ってるかい

赤 青 緑 黒 黄色 

高度成長罪づくり

金の玉子ともてはやされて

ズーズー弁引っさげて

初めて乗った特急ひばり

東京さ来たはずなのに

終着駅は上野駅

右に左に歩いていたら

たどり着いたが 帝釈天

運良く寅さんに拾われて

どうにか覚えた 啖呵売

バナナの叩き売りでございます

 

 

春よ三月春雨に 弥生のお空に桜散る

バナちゃん因縁聞かそうか

生まれは 台湾台中の阿里山麓の片田舎

十三七つになった頃

地元の娘に見染められ 「ポット」色気のさすうちに

 一房二房もぎ取られ

国定忠治じゃないけれど  唐丸籠に詰められて

阿里山麓を後にして  ガタゴトお汽車に揺すられて

着いた所が基隆港 基隆 台湾一港

基隆港を船出して  金波銀波の波を越え 海原遠き船の旅

艱難辛苦の暁に ようやく着いたが 門司港

門司は九州大都会 仲仕の声も勇ましく

エンヤラドッコイ の掛け声で   問屋の室に入れられて

夏は氷で冷やされて  冬は炭団で蒸されて 八十何度の高熱で

黄色のお色気ついた頃 バナナ市場に持ち出され  

一房ナンボの叩き売り

さあさあ買うた さア買うた こういうバナちゃん 六百円

買わなきゃ 五九 五八か 五八昔の色男それに惚れたが 小紫 

五八高けりゃ 五五か  ゴンゴン鳴るのは    鐘の音

金がもの言う浮世なら 奥州仙臺 伊達公に 

何故に 高尾が惚れなんだ

五0まけて 四九か 四九 八九は縁起が悪い 

お次をまけて 四八か

四八ちゃ 久留米の連隊で いつも戦に勝ち通し

私のバナちゃん まけ通し

今の兄ちゃん有難さん こういうバナちゃん 買う兄ちゃん 

末は博士か大臣か

これもまけとけ 三五か 買わなきゃ 三四 三三か

三三九度の盃で 新郎新婦の出来上がり 

こんな目出度いことはない

ハイハイ有難う有難さん