ハウリングというものをどれだけ理解しているか


「マイク~アンプ~スピーカー間でループ状態ができるために起こる」


とよく言われるが、これで理解できるだろうか?

私にはよく分からない。

むしろ完全にループしていたらハウリングは起きないのではないかとすら思ってしまう。

上の表現は本質を捉えていないし、PAでのハウリングに対して重要なことを見逃している。


ハウリングに対するある意見

「歪みが無く、全指向で周波数特性がフラットなスピーカーを作ることが出来ればハウリングは限界まで抑えられる」

というコメントに大きなヒントがある。


「ハウリングは原音に含まれていない波形が引き金になって起こる場合が多い」

というのが、本質に近づくコメントである。


つまり

●歪みがハウリングの大きな原因で、歪みがなければハウリングは相当起きにくい

●原音に無い波形の歪みがハウリングの要因


マイクから収音してスピーカーから増幅した音声信号が

本当に原音に忠実な音で再生されればハウリングは劇的に起きにくくなる。

「原音に忠実」

という表現はオーディオの世界ではよく使われるが決して陳腐ではない。

実際、ミキサー,アンプ,スピーカーのどれかひとつでもより高価な製品を使えば

確実にハウリングは起きにくくなる。


高価なモデルを推奨するわけではないが

ハイエンドなモデルは音質だけが優れているわけではなく

「音声信号を増幅すると現実的に歪が生じるのは避けられない」

のを極力控えてくれる点でも優れているのである。


(機材のグレード上げれば

フェーダーの位置は同じでも、聴感上得られる音圧が上がることからも分かる)





別の視点からいえば

増幅しなければハウリングは起きない。



すなわち

ハウリングに対する最大の対処は

GEQを使うことではなくゲインのつまみを上げ過ぎないこと


これは前のブログでも述べた

「ゲインを上げず、フェーダーを突く」

ことと大いに関連している。



ハウったら


どこの周波数?

でなく


どのチャンネルのゲイン上げ過ぎ?

と考える