脳神経外科が続きます。 | 草村動物病院 「動物の診察室から」

草村動物病院 「動物の診察室から」

新潟市の草村動物病院のブログです。
高度獣医療のこと、日々の診療で思うこと、動物たちのことなど書いていきます。

 タイから帰ってから、ヘビーな手術が続いています。

 

 おとといは、前日からのけいれん発作が止まらなく、他院の先生がご紹介してくれたのですが、私の病院に来た時には、ほとんど意識レベルがない状態でした。

 

 その子の名前は「ひまわりちゃん」、11歳のプードルの女の子です。

 

 ひまわりちゃんは、脳疾患が疑われ、ほとんど動くことができないので、無麻酔下で頭部CT検査を行いました。CT検査では右の側脳室がほとんどありませんでしたので、脳腫瘍などの疾患が疑われました。

 

 麻酔下で、MRI,CT検査を行うと、右大脳半球周囲の広範囲に異常所見があります。脳溝はほとんどなく、かなり脳圧が上がっていることがわかりました。

 

 そのままでは、いつ死んでもおかしくない状態です。硬膜下の出血が疑われるのですが、画像では出血の所見と違います。脳腫瘍の所見とも少し違うのです。

 

 しかしそのままでは、死んでしまいますので、脳圧を逃がす目的と、組織のサンプリングの目的で開頭手術になりました。

 

 結果は、大脳鎌に沿って、前方は硬膜の下に沿って、肉眼的には「膿」とみられる液体が溜まっていたのです。

 

 今までの、動物での報告で、このような症例はありません。

 

 正常と思われる脳周辺の液体物を除去して、頭蓋骨のホールはそのままで手術は終了しました。

 

 翌日の朝まで、昏睡状態でしたが、昨日の午後からは意識が戻ってきました。

 

 今朝は、口の中に入れた流動食は飲み込んでくれました。

 

 病理検査の結果と、細菌培養の結果待ちです。

 

 術後、けいれん発作はありませんが、どうなるかは予測がつかない状態です。

 

 

 

 

昨日の「ひまわりちゃん」意識が戻ってきました。

 

 

 昨日の手術は、チワワちゃんの「乳腺腫瘍摘出」と、大学の先生が来て「脊髄腫瘍摘出」の手術でした。

 

 

 

 

 

昨日手術をした「ラッキーちゃん」

 

 

 今日は、ごぜ午前中に、3日前から前足も後ろ足も立てなくなったゴールデンレトリバーが連れてこられました。

 

 頚部の神経疾患で、CT、MRI検査の結果を見て手術になるかを決めるのですが、今日はあいにくMRI装置の点検で、今点検が終わるのを待ってから始まります。

 

 

 

ゴールデンの「ウィンちゃん」まだ4歳の女の子です。MRI待ちです。

 

 神経疾患が続いていますが、明日は肝臓です。今週は日曜日までぎっしりと予定が入っていました。タイで遊んできたので、神様が働けと言っているのでしょうか。

 

 わたしが、留守の間は、そんなにたいへんな手術はなかったのですが、、、、、