街中を歩いてきた。S・Tに会ったが彼は転職を考えているそうだ。確かに激務だが今そこで辞めれば後はない気がする。彼にとって最良の結果が導かれることを祈りたい。

僕はというと、一人で鳥浜ー中央ー衣笠と脈絡のない道を行った。途中で寂しさに涙が出たがこれもまた運命。

鳥浜の工業地帯は薄汚れた空気が漂っている。渋谷の人だかりから発せられる息苦しさとはまた別の気配だ。

向かいから自転車に乗った白髪の男性。私が道を譲ると敬礼して去っていった。こんなことでも幸せを感じてしまった。自分が生きていると思えた。

私は、何のために生きているのだろう。生きる意味を失った今ではひたすらさまようのみ。答えが見つからない。

自分にとって全てだった。だが、もうそれはない。受け入れることはできた。だが、これからどうすればいいのだろう。

たった一人で生きるには荷が重すぎた。人から信頼されることを信じた後では。

本当は信じたいんだ。しかしそれは叶わなかった。ダイヤなんてなかった。砂漠の砂しかなかった。


今では足を取られ、沈んでいくのみ。せめて雨が降れば楽だろうに。陽が射し、風が吹くだけでは干からびる。

どうすればよかった。どうすれば変われる。大事なものを失った。

ただ男として自信を喪っただけではない。全てのことに挑戦する意志を喪ったのだ。そればかりは自分だけでは立ち上がれない。必死に取り繕っても、ボロが出る。

失ったのが寂しいのではない。喪ったことで寂しさが解ってしまったのだ。

私は、何のためにいきれば…。