〇ワッツタックスの全音源をまとめた12枚組ボックスセット登場

【Wattstax Complete Sound Box Set : 12 CD Set】

12枚組。

1972年8月20日、ロスアンジェルスのワッツ地区にあるロスアンジェルス・メモリアル・コロシアムで、スタックスの多くのアーティストが一堂に会した大規模なライヴ、フェスティヴァルが行われた。このワッツ地区は1965年に黒人暴動「ワッツ・ライオット」が起こった地であり、それから7年後、そのワッツ・ライオットを忘れないためにも、メモリアル的なイヴェントをやろうと企画された。

すでにこの模様は103分の映画『ワッツタックス』として1973年2月に全米公開され、これも大きな話題になった。日本ではなかなか公開されなかったが、後年、ほんの一週間程度、劇場で公開されたはずだ。

その『ワッツタックス』のライヴ・イヴェントは諸説あるが、７時間から１０時間近くになったと言われる。これまでに映画やそのサウンドトラックなどで１時間強の音源は正式に公開・発売されているが、今回は通販作品で多くのマニア向け商品を企画制作しているクラフト・レコーズが編纂制作・2022年11月から予約を受け付け2023年2月にリリースした。

これが、なかなかすごいヴォリュームで、12枚組のCD音源もすごいが、30センチ四方（LPサイズ）のボックスは重さ約1.7キロ。同サイズのブックレットも写真や文章などかなりの読み出がある。

ブックレッドではブラック・ミュージックのジャーナリスト、Aスコット・ギャロウェイがイヴェント『ワッツタックス』の歴史などについて、関係者へ取材して執筆。このほかに当時リリースされたパンフレットをそのまま復刻掲載している。ほかにも当時のスタックス副社長アル・ベルも健筆をふるっている。