〇伝説のロバータ・フラックがチャリティー・リスニング・パーティーを生配信 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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(本作・本文は約3200字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、6分から3分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと11分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

 

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〇伝説のロバータ・フラックがチャリティー・リスニング・パーティーを生配信~『ファースト・テイク』50周年記念デラックス盤7月発売

 

【Roberta Flack To Host Charity Listening Party On YouTube】

 

生配信。

 

ロバータ・フラックがチャリティー・リスニング・パーティーを生配信する。日本時間2020年5月17日(日)午前4時から、ライノ・レコーズのユーチューブ・チャンネルでサンティタ・ジャクソンが司会。アメリカでは5月16日、東部時間15時、西部時間12時から→

https://bit.ly/3cByZgB 

(日本時間17日午前4時から)

おそらくアーカイヴも残るものと思われる。

 

視聴は無料、寄付を募る。

 

チャリティーは、飢えに苦しむ子供たちへの資金募集を行う「フィード・ザ・チルドレン(子供たちに食事を)」基金へ送られる。

 

サンティタ・ジャクソンは元々シンガーで、現在は政治的活動をしているが、かつてロバータ・フラックのバックコーラスでツアーに回っていたという。

 

彼女は、「Love is a Song」(愛は、歌)とコメントしている。同名の未発表曲が7月にリリースされる。(詳細下記に)

 

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■ロバータ・フラック『ファースト・テイク』発売50周年デラックス盤2020年7月24日発売

 

デラックス盤。

 

ロバータ・フラックのデビュー作にして名盤『ファースト・テイク』(1970年1月からヒット)がヒットしてちょうど50周年、半世紀ということで、その『ファースト・テイク』の50周年記念特別盤を2020年7月24日に発売される。

 

 

アルバムは正確には1969年6月に出ているが、当初はシングル・ヒットも生まれなかったために、アルバムもまったく売れなかった。しかし、1971年11月に公開された映画『プレイ・ミスティー・フォー・ミー(邦題、恐怖のメロディ)』(クリント・イーストウッド監督、主演)でこのアルバムからの「ファースト・タイム・エヴァー・アイ・ソウ・ユア・フェイス」がいい形で使われ、注目され、1972年3月になってシングル・カットされヒット、見事に全米ポップ部門で1位になり、アルバムもポップ・アルバム・チャートで1位、いっきにアルバムが売れた。売れるまでに2年半かかっているわけだ。

 

Play Misty for me - The first time I ever saw your face

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=ee_u1HQxh2s&list=RDee_u1HQxh2s&start_radio=1

『プレイ・ミスティー・フォー・ミー』中、「ファースト・タイム・エヴァー・アイ・ソウ・ユア・フェイス」が流れるシーン

 

Play Misty For Me (Full) 購入もしくはレンタル(1時間42分)

https://www.youtube.com/watch?v=5eX2FGqJX4g

 

 

 

Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face 1972

https://www.youtube.com/watch?v=d8_fLu2yrP4

 

 

 

 

今回のデラックス・エディションは、CD2枚とアナログ・アルバム1枚、豪華ブックレット付で49ドル98セント。(約5500円)+郵送料。ここには12曲、未発表曲が収録されている。

 

そのうちの一曲は「グルーヴ・ミー」というもの。ちなみに、キング・フロイドのヒットではない。もちろん、ガイでもない。ロバータのオリジナルだ。1968年11月に録音したデモ・ヴァージョンだ。

 

Groove Me – Roberta Flack

https://www.soulmusic.com/node/350

 

販売サイト→

https://store.soulmusic.com/first-take-50th-anniversary-deluxe-edition-1.html

日本への郵送料は約16ドル。計約66ドル=7260円。クレジットカード決済。

 

ライナーノーツは、イギリス在住のソウル・ミュージック評論家、デイヴィッド・ネイサン。また、ロバータの初期デビューの力添えをしたジャズ・ミュージシャン、レス・マッキャンも一文を寄せている。3000セット限定。

 

通常版『ファースト・テイク』 962円+税

 

 

 

■『ファースト・テイク』はわずか10時間で録音

 

ロバータ・フラックは、アトランティックのジャズ・アーティスト、レス・マッキャンがワシントンDCのジャズ・クラブでロバータを見て感動し、アトランティックとの契約を取り付け、デビュー作でも協力した。

 

レコーディングは1969年2月にわずか10時間で8曲を録音した。このうちの2曲(「アワ・エイジス・オア・アワー・ハーツ」と「トライン・タイムス」)はダニー・ハサウェイ作品。

 

今回のデラックス・ヴァージョンには、3曲のボーナス・トラックを収録。シングルB面となった「トレイド・ウィンズ」、「ザ・ファースト・タイム・エヴァー・アイ・ソウ・ユア・フェイス」と「コンペアード・トゥ・ホワット」のシングル・ヴァージョン。

 

ディスク2では12曲の未発表音源を収録。これは1968年11月にプロデューサーのジョエル・ドーンと録音したもの。「グルーヴ・ミー」はそのときに録音したロバータのオリジナル曲だ。

 

ほかに「フランキー&ジョニー」、ブルーズ・スタンダード「ノーバディー・ノウズ・ユー・ホエン・ユーアー・ダウン・アンド・アウト」、フォークの「ザ・ソング・イズ・ラヴ」、ポップの「トゥ・サー・ウィズ・ラヴ」(=ルルのヒット。「いつも心に太陽を」)、「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル、のちにダイアナ・ロスなど)などが収録される。これは一足先に配信で解禁されている。マーヴィン&タミーのアレンジをベースに歌われている。

 

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ロバータ・フラックは1975年初来日。以後、来日多数。最後は2013年12月。

 

ロバータ・フラック過去ライヴ評から2010年9月4日付けのものを。一覧はこのライヴ評の後。各リンクをたどってください。

 

◎  ロバータ・フラック~進化し続ける女神

2010年09月04日(土)

 

【Roberta Flack Live : Goddess Still Growing】

 

女神。

 

ロバータ・フラックというシンガーのミュージシャン、アーティストとしての底力を見せ付ける、そんなライヴだ。2007年、2008年、2009年に続いてのライヴ。ロバータはステージ中央のピアノに座りながら歌う。自由自在に、その瞬間彼女が歌いたいと思った曲を弾き、歌う。基本的には事前のセットリストはない。たいがい、ロバータがピアノのイントロを弾き始めて、ミュージシャンたちはそれで曲を知り、追う。満員の観客で、ファーストが押したせいで、スタートは9時45分すぎ。

 

ドラムス、ギター、ベース、キーボード、フルート&トランペット、コーラス3人の8人バンドにロバータ。ステージは完璧にロバータがコントロールしている。イントロからステージに上がりピアノの前に座った彼女は、いきなり、strummin’ my pain with his fingersと歌いだした。邦題は「やさしく歌って」。冒頭から心、わしづかみ。さらに、カトリース&ジェリー・バーンズの「セイ・ノー」、そして、おなじみの「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」。ノンストップで、次々と歌われ客は息をつく暇もない。「フィール・ライク…」の中にはマーヴィン・ゲイの「ユー・シュア・ラヴ・トゥ・ボール」のフレーズをちりばめ、あたかもマーヴィン・ゲイ・メドレーへの予告塔かのよう。

 

MCで「フリオ・イグレシアスとダイアナ・ロスのために書かれた曲です。ラッキーなことに、彼らが録音しなかったので、私たちが録音できました」と言って歌い始めたのが、日本でも人気の高い「愛のセレブレーション」。フリオとダイアナ向けとは知らなかった。

 

そして、このところよく歌われるマーヴィン・ゲイ・メドレー。バック・コーラスの女性シンガーと男性のデリックの歌もフィーチャーされ、本当に見事。最後の「マーシー・マーシー・ミー」の盛り上がり方ははんぱではない。カットアウトで終わると、まさに感動の嵐だ。そして、観客からの拍手もやまぬうちにロバータはペースを変え、しっとりとしたピアノのイントロを弾き出す。プリテンダーズのヒットで、最近では彼女がアンコールに歌うことが多いという「アイル・スタンド・バイー・ユー」だ。これは前回聴いて、ものすごくロバータっぽい曲だと思ったが、すばらしい曲。まだ、ロバータ自身は録音していないようだ。さび部分を途中で客に歌わせようとしたが、若干、難しかったか。

 

ボブ・マーリーの「ノー・ウーマン…」をやりだしたが、ロバータが「ちょっとテンポが早い」といい、すぐにミュージシャンはテンポを遅くした。まさに、ロバートはボス。

 

ダニー・ハザウェイとのデュエットで大ヒットした「バック・トゥゲザー・アゲイン」。これは、バック・コーラスのデリックとの超強力デュエット。これにキーボードで歌も歌うシェリックが加わり壮絶な「バック・トゥゲザー・アゲイン」になった。ミディアム調のこれが終わるとまたしっとりとピアノから。前回もやっていたマイナー調の「テル・ミー・ホワイ」。その後、今日の最後の曲といって歌い始めた「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」だったが、その後、最後といったにもかかわらず、ちらっと「ザ・ファースト・タイム・エヴァー…」も歌う。これを歌い終えるとコーラスの3人さえもが、ロバータの歌に拍手を送った。加えてアンコールを2曲も。のりにのっていたのだろう。ライヴが終わったのが、23時28分だ。

 

曲がどのように歌われるか。過去3年分のセットリストと見比べると、実に興味深い。曲の、出し入れが自由自在なのだ。

 

観客にマーカス・ミラーもいたが、ミラー作品「オアシス」は歌わなかった。ロバータは楽屋に戻るとき、座っていたマーカスを見つけ、ハグ。

 

それにしても、こんなに自分の思い通りにミュージシャンと、そして、観客をコントロールできたら、ミュージシャン冥利に尽きると思う。70歳を超え、いまだに新しい楽曲を次々とレパートリーに加えていくその「進化」ぶりには感銘を受ける。スティーヴィーも神様だが、ロバータも女神だ。

 

■メンバー

 

ロバータ・フラック(ヴォーカル、ピアノ)Roberta Flack(vo,p)

アルチューロ・タッピン(サックス、フルート)Arturo Tappin(sax,flute)

シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)Shelton Becton(key,musical director)

ディーン・ブラウン(ギター)Dean Brown(g)

ニコラス・ブランカー(ベース)Nicholas Brancker(b)

チェ・マーシャル(ドラムス)Che Marshall(ds)

デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)Derick Hughes(back vo)

ノヴァ・ネルソン(バック・ヴォーカル)Nova Nelson(back vo)

メリッサ・ラロシェル(バック・ヴォーカル) Mellisa Larochelle(back vo)

 

■ セットリスト ロバータ・フラック@ブルーノート東京、2010年9月2日木曜、

Setlist : Roberta Flack @ Bluenote Tokyo, September 2, 2010

 

musicians stand by 21:45

show started 21:47

01. Intro (Rise)

02. Killing Me Softly With His Song

03. Sweet Georgia Brown

04. Say No

05. Feel Like Making Love ~ You Sure Love To Ball [Marvin Gaye]

06. Tonight I Celebrate My Love

07. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues – Save The Children – Mercy Mercy Me

08. I’ll Stand By You [Pretenders]

09. Feelin’ That Glow

10. No Woman, No Cry [Bob Marley]

11. Back Together Again (With Derrick, Shelton)

12. Tell Me When

13. (Like A) Soft & Gentle Rain

14. The First Time Ever I Saw Your Face

15. Love Me In A Special Way [Debarge]

Enc. You’ll Never Know (‘Til You Let Go)

Enc. Baby, I Love You (Shelton sings)

Outro: Theme (Rise)

Show ended 23:28

 

(2010年9月2日木曜、ブルーノート東京=ロバータ・フラック・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta

2010-143

 

■ 過去関連記事

 

前回ライヴ評。

April 18, 2007

Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down

http://blog.soulsearchin.com/archives/001719.html

 

April 19, 2007

Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance

http://blog.soulsearchin.com/archives/001720.html

 

ロバータ・フラック・ライヴ

2008年03月08日(土)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10078246447.html

 

ロバータ・フラック~進化し続ける女神

2010年09月04日(土)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10638005227.html

 

ワウフェス~平井堅、ラウル・ミドン、ロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイをキーワードに一堂に

2010年10月30日(土)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10691500944.html

 

ロバータ・フラック、3年ぶりの来日~自由度の高いライヴ~ダニーの影を探して

2013年12月14日(土)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11728666858.html

 

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