●志村けんさんとソウル・ミュージック | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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●志村けんさんとソウル・ミュージック

 

【Shimura Ken & Soul Music】

 

ソウル。

 

1979年の暮れだったか、当時のCBSソニーのテディ―・ペンダーグラスの担当のTさん(だったと思う)が、「吉岡さん、これ、ドリフのヒゲダンスで使われて、ちょっと話題になってるんで、シングルカットするんですよ」と教えてくれた。

 

そのときはなんのことかわからず、説明されて、やっとわかった。当時の僕は土曜の夜8時などほとんどうちにいることはなかったので、ドリフの番組もやっているのは知っていたが、まず見ていなかったから、そのあたりは知らなかった。しかし、その話を聞いて、一度見てみようと思い見た。

 

いやあ、びっくりした。テディー・ペンダーグラスの1979年6月全米発売の『テディー』収録の1曲で、アメリカでもシングルヒットはしていない。ただ、正確に言えば同アルバムからの最初のシングル盤が「カム・ゴー・ウィズ・ミー」でそのシングルのB面にこの「ドゥ・ミー」がひっそりと収録されていたが、少なくともアメリカでも話題にはなっていなかった。

 

おそらく志村さんは、このアルバムを入手して、B面2曲目(ヴァイナル・アルバム盤)を聴いて、「これだ!」と思ったのだろう。このベース・リフにぴんときたのだ。このあたりのセンスがソウル好きならではの慧眼としかいいようがない。

 

最初「ドゥ・ミー」は「カム・ゴー・ウィズ・ミー」のシングルのB面だったので、それほど注目されなかったが、志村さんの「ヒゲダンス」のおかげで一躍脚光をあびることになった。テディペンのシングル盤にも途中から「ヒゲダンスのテーマ」といった表記が加えられたと思う。その後、たかしまあきひこヴァージョンがSMSレコードからリリースされヒットした。

 

ほかにも、志村さんのソウル好きの話は聞いていた。特にシンコーから出ていた雑誌JAM(ジャム)で毎月の新譜評のうちでソウル系のレコード・レヴューを担当していて読んでいた。

 

今回の訃報でいろいろ調べていたら、志村けん記事で、「志村けん~日本にファンク・ウィルスをばら撒いた男~」(2018年4月3日付け)(サッポロ・ポッシー・ウェッブ・サイト)という記事に出会った。

 

http://www.sapporo-posse.com/d-funk/

 

この記事のすごいところは、「体を動かさずにはいられなくなる“ノリ”」そのものを、「人から人へ感染するもの」と書いていて、タイトルにも「ファンク・ウィルスをばら撒いた」としているところ。

 

まさにファンクやグルーヴ、ダンスは人から人へ感染するのだ。それは先日のマヌー・ディバンゴの訃報記事でも「ソウル・マコッサ」が世界中に伝搬、拡散したという話をしたのと同じだ。

 

この記事の中で、1976年3月にリリースされた10枚目のシングル「ドリフのバイのバイのバイ」について触れている。この曲から志村けんが参加。僕はこの曲は知らなかったので初めて聴いたが、これまたびっくり。「ハッスル」(ヴァン・マッコイ)やソウルフルな掛け声をいれている。ギターのリフは、ファンキーなワウワウの入った音だ。

 

ドリフのバイのバイのバイ(音質改良)

https://www.youtube.com/watch?v=s_iqc4E0Cx8

 

11枚目のシングル。「加藤茶のはじめての僕デス / 志村ケンの全員集合 東村山音頭」 1976年9月5日発売

志村けん・東村山音頭

https://www.youtube.com/watch?v=yL2TsRfRjGo

 

そして、1977年「ディスコばあちゃん」といった作品が登場。(レコードはなし)

https://www.youtube.com/watch?v=CGfxSUMzQkU

 

「ヒゲ」のテーマ 1980年2月25日発売

ドリフ ヒゲのテーマ ヒゲダンスの音楽

https://www.youtube.com/watch?v=VNJgL3n7eWQ

 

この音楽の元がテディー・ペンダグラスの「ドゥ・ミー」

Teddy Pendergrass – Do Me

DO ME ヒゲダンスの元ネタ サンプリング

https://www.youtube.com/watch?v=mJP3xT2hMkQ

 

13枚目 「ドリフの早口ことば」 1980年12月21日発売

 

「ドリフの早口ことば」そのトラックの元歌。ダイアナ&マーヴィンの「ドント・ノック・マイ・ラヴ」→

https://bit.ly/33TgYqi

 

このオリジナルはウィルソン・ピケット→

https://bit.ly/2ybS7SO

 

番組内では、ちょっと探せなかったが、ジェームス・ブラウンの曲「パパジ・ガット・ア・ブラン・ニュー・バッグ」にあわせてコントをやっていたシーンもあるそうだ。これは見たい。1979年頃のことらしいので、ユーチューブにアップされることを期待したい。

 

 

ENT>Shimura, Ken

OBITUARY>Shimura, Ken (Feb 20, 1950 – March 29, 2020, 70 year old)

-2000

 

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