◎松尾潔の夜間授業3~ホイットニー・ヒューストンとクライヴ・デイヴィス | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎松尾潔の夜間授業3~ホイットニー・ヒューストンとクライヴ・デイヴィス

 

【Matsuo Kiyoshi’s Mellow Night Lessons #3 : Clive Davis & Whitney Houston】

 

3限目。

 

2019年11月から月一で始まった松尾潔のメロウな夜間授業、その第3回が2020年1月20日(月)日比谷ビルボードカフェ&ダイニングで行われた。

 

 

毎回増える新メニューで今回追加されたのは「マイ・ネーム・イズ・ジョー」と題されたスロッピージョー(アメリカの一般的な家庭料理でサンドウィッチの一種)。

 

今回も満員御礼。3分の1くらいは、もう「年パス」(年間パスポート)を持っているのではないかと思われる常連さんのよう。その核は「月ユニ会」。

 

ホイットニーの経歴を時系列で紹介しつつ、ホイットニーに関するエピソード、ホイットニーが所属したアリスタ・レコード創始者クライヴ・デイヴィスの話、自身の取材話などを曲をかけながら、たっぷりトーク。

 

多くのお客さん(生徒さん)が、熱心にメモを取っているのが印象的だ。

 

ドキュメンタリー映画のパンフレットを持ちながら解説。

 

「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」をかけて、「当時は黒人の魂がないのではないかと批判されましたが、(この歌唱は)文句のつけようがない、今聞けば『ソウルフル』と表現することになんのためらいもないですが…。先駆者は大変ですねえ…」

 

マイケル・マッサーがこの「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」を書いた経緯についての詳細は、拙著『ソウル・サーチンR&Bの心を求めて』に一章を割いて書いている。

 

ソウル・サーチン R&Bの心を求めて

吉岡 正晴

音楽之友社

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ちょうどその話をかいつまんで隣のKダブに話していた。

 

ファースト・アルバムのジャケットは日本盤とアメリカ盤が違い、さらに、曲順というか、盤面が違う。アメリカ盤のA面が日本盤のB面になり、日本盤のA面はアメリカ盤のB面から、という話を林剛さん、K-Dubシャインと控室でしていた。のを松尾さんにネタにされた。(笑)

 

日本盤ジャケット

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アメリカ盤ジャケット

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第二部では、松尾さんが以前から知っているエリアンナさんという今ミュージカルで活躍している女性シンガーが飛び入りで「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」をなんとアカペラで熱唱。大拍手を得た。

 

ホイットニーはまさにヴィジュアル時代の申し子で、「口の悪い人は、(80年代、ヴィジュアル時代には)ロバータ・フラックはきっとスターになれなかった、と言ってました」。

 

映画『ボディガード』の話。

 

「アフリカン・アメリカンでライト・スキンでこれだけソウルフルな歌を歌う、このありよう自体が政治的なんです」

 

「彼女自身は政治的な発言はあまりしないが、多くの人が彼女に目をそらさずにいられないのは、彼女が持っている『美しきいびつさ」』そこから発せられる言葉、歌声、ふるまい、そこにはパワーが宿っていたからなんですね。そういう人を我々はスターと呼んでいるのかもしれない」

 

そして、「ミスター・ヒューストン」と呼ばれたこともあったボビー・ブラウンの話。

 

第二部では途中、ラッパー/ヒップ・ホップ・アーティストとして有名なKダブ・シャインが、かつてTBSラジオでクライヴ・デイヴィスの話をしたというので、松尾さんに呼び出され飛び入りで参加。ちょうど、松尾さんが座ってて、Kダブが立って下向きに松尾さんの方に向いていたので、先生に怒られている生徒みたいな図で、両者を知るものからするとおもしろかった。

 

なぜクライヴ・デイヴィスに興味を持ったかを尋ねられ、K-ダブ曰く「黄金の耳を持ったクライヴ・デイヴィスが、ジャニス・ジョプリン、スライからホイットニー、アリシア・キーズまで長い期間にわたってたくさんのすごいアーティストを育ててきたのはどうしてなのかなということに興味を持って。あちこちのレコードにその名前がでてくるようになって興味を持って調べてたんです」と。

 

さらに「(フーディニを始めとするヒップ・ホップ作品を数多く出した)ジャイヴ・レコードをクライヴが配給していて、いわば、フーディニをスターにしたのはクライヴだとも言えて。ソウルの面だとフィラデルフィア・インターナショナルというレーベルを配給したり。アーメット・アーティガンとクライヴ・デイヴィスを知ればアメリカのポピュラー音楽の大きな潮流は知ることができるんじゃないかと思って一時期ディグってみました」と付け加えた。

 

途中で松尾さんは『ボディガード』はスクリーンで見ずに、後日ビデオで見たらしくちょっとしたディスりがはいっていたが(笑)、続く『ため息つかせて』(1995年)は公開初日に映画館に行ったという。

 

ライヴのバックコーラスにシンガーとして非力な兄のゲイリーをいれていたのは「ファミリー・ビジネス」としての醜悪さの表れ。

 

ホイットニーの最期は「緩慢な自殺」。

 

そして、最後は松尾潔が選んだトップ20。

 

 

■関連書籍

 

ディーヴァ ホイットニーヒューストン物語

ジェフリー ボウマン著 吉岡正晴訳

東京FM出版

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クライヴ・デイヴィスの自伝(英語)

SOUNDTRACK OF MY LIFE

CLIVE DAVIS

SIMON & SCHUSTER (2013-02-19)

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■セットリスト 松尾潔のメロウな夜間授業第3回~ホイットニー・ヒューストンとクライヴ・デイヴィス 2020年1月20日(月) 日比谷ビルボードカフェ&ダイニング 

 

First Set

 

Show started 19:42

BGM  Until You Come Back– Whitney Houston (WH)

BGM

BGM   All The Man That I Need – WH

M01      Greatest Love Of All – WH

M02      Greatest Love Of All – George Benson

M03      You Give Good Love – WH

BGM    Just The Lonely Talking Again – WH

BGM    Saving All My Love For You – WH

BGM    Million Dollar Baby – WH

Ended 20:36

 

Second Set

 

Show started 20:51

M01  Acapella Live :  Greatest Love Of All – エリアンナ(Eliana)

BGM      Are You The Woman – Kashif

BGM

BGM     If You Say My Eyes Are Beautiful– WH

 

.K-Dub Shine

 

ホイットニー松尾潔のトップ20カウントダウン

 

#20-#1 (20位から順にカウントダウン)

 

 

画像

 

Show ended 22:36

 

 

オールウェイズ・ラヴ・ユー~ベスト・オブ・ホイットニー・ヒューストン(デラックス・エディション)

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ENT>LIVE>Matsuo Kiyoshi’s Mellow Night Lesson>03

 

 

 

 

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