〇 エラ・メイ「ブード・アップ」全米席巻~なぜこれほどまでの現象的ヒットになったのか | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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〇エラ・メイ「ブード・アップ」全米席巻~~なぜこれほどまでの現象的ヒットになったのか

 

【Ella Mai’s Boo’d Up” Biggest Hit Of Summer Of 2018】

 

席巻。

 

昨年(2017年)2月にリリースした「ブード・アップ」が今年になってアメリカで見事にブレイク。ついに、R&Bチャートで1位になったエラ・メイを簡単にご紹介。イギリスの単独アーティストがアメリカのR&Bチャートで1位になるのは1992年のリサ・スタンスフィールドの「オール・ウーマン」以来、26年ぶり。1992年には、まだエラ・メイは生まれていなかった。(ちなみに、デュエット相手としてアメリカのR&Bチャート1位になったイギリス・アーティストはチャーリXCX、ポール・マッカートニー、カイラがいる)

 

エラ・メイ=ローリング・ストーン誌から

 

エラ・メイは1994年11月3日イギリス・ロンドン生まれ。現在23歳。父はアイリッシュ、母がジャマイカ生まれ。12歳の時(2007年頃)ニューヨークに移住するが、ハイスクール卒業後17歳の頃にロンドンに戻っている。2014年、イギリスのテレビ・オーディション番組『Xファクター』のシーズン11に、女性トリオ、アライズ(Arize)の一員として登場。しかし、ここでは入賞せず脱落、そのままこのアライズは解散した。

 

アライズで登場した『Xファクター』

https://www.youtube.com/watch?v=jX6QXMkj1-8

 

一番右のダークなリップスティックをしているのがエラ・メイ

 

エラ・メイはその後、自作曲4曲を録音したミニ・アルバム『トラブル』をサウンドクラウドにアップ。そのほかのカヴァーなどをサウンドクラウドやユーチューブ、インスタグラムにアップ。これを見たLA出身のヒップホップ系のプロデューサー、人気DJ、DJマスタードが見つけ、彼のレーベル「10サマー・レコーズ」と契約した。

 

そのDJマスタードのプロデュースで2016年2月、6曲入りのEP『タイム』をリリース、ここに収録されたシングル「シー・ドント」では、アメリカのラッパー、タイ・ダラ・サインをフィーチャー。その後、2016年11月に2作目のEP『チェンジ』、さらに、2017年2月に3作目のEP『レディー』をリリース。ここに「ブード・アップ」が収録されていた。

 

「ブード・アップ」はスラング。「ブーBoo」

が恋人、あるいは付き合ってる人を指し、ブード・アップだと、あなたと付き合ってる、という感じになる。

 

歌詞の訳がここにある。

https://www.songtree.jp/ella-mai/bood-up/

 

昨年はそれほど動きがなかったが、2017年12月にベイ・エリアのDJビッグ・ヴォンがクラブでかけたところ、大変なリアクションがあったという。かなり太った男性も、これがかかったら側転をして驚かせた。そこで、彼はKMEL局で自身が持つ番組で翌日5回ほどかけたところ、やはり大反響を得た。これを機に一気に人気がブレイク、ホット100もかけあがるようになった。

 

そして、2018年4月、「ブード・アップ」のビデオを発表。結局、ホット100で最高位5位を記録。

 

アルバム『レディー』(「ブード・アップ」収録)・ダウンロードで500円(6曲入り)

https://goo.gl/KCFD7o

 

Ella Mai - Boo'd Up 

https://www.youtube.com/watch?v=6YNZlXfW6Ho

 

 

 

現在すでにユーチューブでは1億6000万回以上プレイされている。

 

アマゾンで単曲

https://goo.gl/b6jgc2

 

また、「ブード・アップ・チャレンジ」と題して、一般の人たちが自由にこの「ブード・アップ」をリミックスしたり、乗せて好きに自分のヴァージョンを作ったりして、それがユーチューブなどに出て話題を加速化した。

 

また、ラッパーのファボラスや、Tペイン、トーン・スティスなどがこの「ブード・アップ」のリミックス、カヴァーなどで参戦。その他次々とカヴァーが登場。「ブード・アップ」現象が過熱している。

 

そして、全米で大ヒットになり、R&Bチャートでも1位に輝いたわけだ。

 

ただこのアメリカでの大ヒットぶりと比べると、本国イギリスではそれほどの大ヒットにはなっていない。

 

なぜイギリスではヒットしないのか、の考察記事

 

Jul 13 2018, 8:00pm

The UK Is Sleeping on Ella Mai and It's Embarrassing

https://noisey.vice.com/en_uk/article/zmkv9w/ella-mai-bood-up-song-summer-2018

 

アメリカ人好みのサウンド、曲調で、イギリス人の好みではなかったのか。あるいは、この記事で指摘されるように、イギリスのR&Bシーンはアメリカほど大きくないということなのか。

 

この「ブード・アップ」人気は、全米に伝播しているが、今年7月の「エッセンス・フェスティヴァル」でも多いに盛り上がっていたという話を、林剛さんがしている。

 

林剛と松尾潔 ESSENCE Festival 2018を語る

2018/7/27

https://miyearnzzlabo.com/archives/51581/4

(2018年7月23日放送分の書き起こし部分)

 

まさにアメリカでは「ブード・アップ」のヒットは「現象」になっているという。今年(2018年)を代表する1曲であることは間違いない。

 

これほどまでの現象的ヒットぶりの理由は何か。その90年代R&Bを彷彿とさせるメロディー、サウンドが最大の要因だろうが、そこにクラブDJ、ラジオDJのしつこいほどのプレイがあったこと、ビデオが功を奏したこと、自由に多くの一般のリスナーがこの曲を使ったユーチューブ映像などをアップし、インターネット上で人気が爆発したことなどが複合的に重なりこれほどまでの大ヒットになったようだ。

 

このタイプの曲は、よくあるタイプの曲なので、同じように似ている曲調のものがこれからしばらくヒットしていく可能性もある。

 

果たして日本ではどうなるだろうか。

 

NHK-FMの『メロウな夜』の松尾潔さんは、昨年から一足先に注目していた。

https://miyearnzzlabo.com/archives/50811

 

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