◎マーサ・ハイ日本初の単独ライヴ大盛り上がりで終了(パート1)~ホーム・グロウン・ソウルの形 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎マーサ・ハイ日本初の単独ライヴ大盛り上がりで終了(パート1)~ホーム・グロウン・ソウルの形

【Martha High Live At Kentos (Part 1): Another Home Grown Soul】

初。

ジェームス・ブラウン・ディーヴァ(女性シンガー)の中で、もっとも長きにわたってミスター・ブラウンに仕えたマーサ・ハイの日本で初めての単独公演が2015年11月29日(日)、新宿ケントスで行われた。バックを務めたのはジェームス・ブラウン・ファンクの第一人者として自他ともに認めるオーサカ=モノレール。

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この日はさすがにジェームス・ブラウン・ファンク、ソウル系の好きな人たちが集結した感がたっぷり。ソウル・バー、ソウルDJ、ソウル・ファン、音楽好きの人たちが同窓会のように集まっていた。結局、ファースト、セカンドともに立ち見まで出る大盛況に。

アメリカでは2000年代に入って2度、ヨーロッパでは何回か行ってきた「マーサ・ハイ」名義のソロ・ライヴは、もちろん本邦初だ。

マーサ・ハイ自身は、1973年ジェームス・ブラウンの初来日で来日して以来、ミスター・ブラウンと、またメイシオ・パーカーと、さらには最近のジェームス・ブラウン・バンド(トリビュート・バンド)のメンバーとしても、総計20回以上来日している。ただし自身名義のライヴは初。

ジェームス・ブラウン・ファンクを求道するオーサカ=モノレールはこれまでに、同じくジェームス・ブラウン・ディーヴァのマーヴァ・ホイットニーとのライヴ、レコーディング、フレッド・ウェスリーとの共演などを果たしており、マーサ・ハイとの共演もなるべくしてなったコラボレーションだ。

1曲オーサカ=モノレールがインストゥルメンタルで温めてから、おもむろにマーサ・ハイの登場。客席を通ってステージに行くが、その間にもファンから大歓迎される。

「ショーダウン」、リン・コリンズの「ママ・フィール・グッド」などであげあげで盛り上げ、1曲バラードで聴かせる。

圧巻は「シンク」「イッツ・マイ・シング」「ロック・ミー・アゲイン」のあたり。リン・コリンズのヒットだったり、マーヴァ・ホイットニーのファンキー曲だったり。これはジェームス・ブラウン・ファン、ファンク・ファンならだれでも乗る。

時折見せる彼女のチャーチ―な(教会風な、ゴスペル風な)ヴォーカルも聴きごたえがある。何より、声の安定感、ソウルフルな歌声が大きな魅力だ。これまでこうしたフル・ショーを日本では誰も見たことがなかったこともあり、このレディー・ソウルとしての存在感は見事なものだった。

ファーストは観客が若干静か目だったためか、本編終わった後、拍手がフェイドアウトし、アンコールにならなかったが、セカンドは、1曲目から観客が立ち上がり、終始盛り上がり続け、熱量も高かった。アンコールの「メイク・イット・ファンキー」も大変な盛り上がり。

ジェームス・ブラウン・ディーヴァの中では、リン・コリンズ、マーヴァ・ホイットニー、ヴィッキー・アンダーソンがその名をとどろかせたが、マーサ・ハイもそろそろ「ビッグ・フォー」の一角を占めそうな存在感を見せたライヴだった。


そうそう、第二部で、マーサが今回オーサカの中田さんが彼女を日本に呼んでくれ、レコーディングもして、ライヴもやってくれたことに感謝するところで、感極まって涙を拭う瞬間があった。あれは、観客一同シーンとした。


そして、こうしたリアルな女性R&Bシンガーと手を組み、ライヴを行い、また、今回ライヴ前にレコーディングも行っているオーサカ=モノレールは、まさに日本の「ホーム・グロウン・ソウル」を着実に育てている稀有なアーティストとしても評価される。

今回マーサは火曜日(24日)に来日、水曜から金曜までレコーディング、土曜日リハーサル、日曜日本番、そして、月曜日取材、火曜日離日と大変なハード・スケジュールをこなした。

レコーディングされた12曲は、来年(2016年)しっかりと計画を練ってからリリースされる予定だ。

アルバム・リリース時にはまた来日して、熱いステージを展開してほしい。今回は1日だけのライヴだったので、なかなか見に来られなかった人も多数いたようだ。

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(写真、左後方から佐藤潔=ジェームス・ブラウン研究家、マーサ・ハイ、バンドー・タケシ=福岡ソウル・バー、JBズ・バー・マスター、中田亮=オーサカ=モノレール、前列、北條弘一、吉岡正晴)




マーサ・ハイには小一時間ほどインタヴューしたので、その模様は改めてご紹介します。

(この項、続く)

■セットリスト
Martha High @ Kentos, Shinjuku, November 29, 2015

First set

Show started 17:06
01. (Instrumental) Soul Theme [King Kurtis]
02. Showdown
03. Mama Feel Good [Lyn Collins]
04. This Is My Story [The Jewels] (duet with Mayuka)
05. Payback [James Brown]
06. Think (About It) [Lyn Collins]
07. It’s My Thing [Marva Whitney]
08. Rock Me Again & Again & Again & Again & Again & Again (6 Times) (Lyn Collins)
09. Stay Tonight
Show ended 18:15

Second Set

Show started 20:37
01. Soul Theme [King Kurtis]
02. Showdown
03. Mama Feel Good
04. This Is My Story
05. Payback
06. He’s My Ding Dong Man – Ring My Bell
07. Think (About It)
08. Rock Me Again & Again & Again & Again & Again & Again (6 Times) (Lyn Collins)
09. Stay Tonight
Enc. Make It Funky [James Brown]
Show ended 22:11

■メンバー

マーサ・ハイ
MARTHA HIGH
Vocal
米国ワシントンDC生まれ

中田 亮
RYO NAKATA
Vocal, Keyboard
奈良県出身 1972年10月7日生まれ

山縣 賢太郎
KENTARO YAMAGATA
Trumpet
東京都出身 1979年9月29日生まれ

淡路 泰平
TAIHEI AWAJI
Trumpet
北海道出身 1987年1月27日生まれ

向井 志門
SHIMON MUKAI
Tenor Sax
東京都出身 1976年6月9日生まれ

速水 暖
DAN HAYAMI
Guitar
奈良県出身 1976年12月1日生まれ

池田 雄一
YUICHI IKEDA
Guitar
神奈川県出身 1981年3月7日生まれ

大内 毅
TSUYOSHI OUCHI
Bass
京都府出身 1974年7月26日生まれ

木村 創生
SOKI KIMURA
Drums
栃木県出身 1984年1月30日生まれ

田中まゆ果
MAYUKA TANAKA
Background Vocal

ENT>MUSIC>LIVE>Martha High & Osaka Monaurail

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