◇タワー・レコードの栄枯盛衰を描いたドキュメンタリー『オール・シングス・マスト・パス』2015 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◇ タワー・レコードの栄枯盛衰を描いたドキュメンタリー『オール・シングス・マスト・パス』2015年10月16日全米公開

【Documentary “All Things Must Pass – Rise & Fall Of Tower Records】

ドキュメンタリー。

人気レコード・ショップ、CDショップとして一世を風靡したタワー・レコードの栄枯盛衰を描いたドキュメンタリー映画が、2015年10月16日から全米一般公開される。タイトルは『オール・シングス・マスト・パス~ライズ・アンド・フォール・オブ・タワー・レコーズ』。意味は「すべては亡くなりゆく~タワー・レコードの栄枯盛衰」。同名のジョージ・ハリソンのアルバムも有名。監督コリン・ハンクス。

かつてタワー・レコードの袋は音楽ファンのあこがれだった。予告編約2分。
https://goo.gl/sRTNmh



Director Colin Hanks
Writers Steven Leckart
Actors Russ Solomon, Michael Solomon, Heidi Cotler, Mark Viducich, Stan Goman, Bob Delanoy, Bruce Springsteen, Elton John, David Geffen, Dave Grohl

映画自体は2015年3月19日、「サウス・バイ・サウスウェスト・フィルムフェスティヴァル」、5月30日「シアトル国際映画フェスティヴァル」、6月20日「AFIドキュメンタリー・フェスティヴァル」などで上映。また9月に限定公開された。

タワー・レコードは小さなドラッグ・ストアから始まり、全盛期には全世界に200店舗以上を持ち、1996年には10億ドル(当時1ドル120円として1200億円)の収益をあげていたが、2006年倒産。何がまちがったのか。ラス・ソロモン元社長、アーティストのブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、デイヴィッド・ゲフィン、デイヴ・グロール、クエスト・ラヴなどのインタヴューも収録されている。なお、日本のタワー・レコードは2002年に日本法人に売却され本国との資本関係がないため、現在でも営業を続けている。

エルトン・ジョンはタワーのファンで、かつては買いたいレコードのリストを作り、スタッフに同じものを3枚ずつ買わせ、自身の各地の自宅に置いていたという。

映画のオフィシャル・サイト
http://www.towerrecordsmovie.com/

オフィシャル・ツイッター
@TowerRecordsDoc

このドキュメンタリーの監督はコリン・ハンクス。名優トム・ハンクスの息子で1977年、カリフォルニア州サクラメント生まれ。このサクラメントがタワー・レコード発祥の地ということで、生まれたころからすでにタワー・レコードは親しみ深い存在としてあった。そしてそのタワーが倒産したことで、思い入れのあったタワー・レコードにはたくさんの素晴らし物語があるだろうと考え、ドキュメンタリーを制作した。

これを監督したコリンが『ジミー・キメル・ショー』に出演したときのインタヴュー。
(約3分)
https://goo.gl/CZhhAn



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歴史。

タワー・レコードの前身は1939年、タワー・レコードを興すラス(ラッセル)・ソロモンの父クレイトン・ソロモンが細々とやっていた「タワー・カット・レート・ドラッグ・ストア」。1925年(大正14年)生まれのラスは父親のドラッグ・ストアの一部を借り、ジュークボックスで使われた中古の78回転のレコードなどを売り始める。紆余曲折あったが、1960年には独立し、タワー・レコードをスタート。その後は拡大し急成長した。

特にロスアンジェルスのサンセット・ブルヴァードにあるタワー・レコードはひじょうに有名になった。その後もニューヨーク店など多数の店舗が全世界に開店した。

しかし、2000年代に入りその拡大路線が裏目に出て、赤字が生まれるようになり、2004年一度倒産、その後復活するも2006年再度倒産した。

日本には1979年進出。当初は輸入盤卸売業としてスタート。その後1980年4月札幌に小売店第一号店を開店、その翌年1981年3月、東京渋谷に2号店を開店した。これは1995年3月、現在の場所に移転。この渋谷店は輸入盤が安く、大量に品ぞろえされていたことで、当時の音楽業界に大きなインパクトを与えた。2002年にはアメリカでの業績が悪化したために優良部門だった日本のタワー・レコードを売却。この時点で独立した日本法人となったために、その後の本国での倒産の影響はまったく受けなかった。

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現在このドキュメンタリー映画の日本公開予定の情報はない。

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