★プリンス、10人の記者と懇談～レコード会社との契約は「奴隷」のようなもの

★プリンス、10人の記者と懇談～レコード会社との契約は「奴隷」のようなもの

【Prince Talks To 10 Music Journalists】

取材。

2015年9月に最新作『ヒットンラン』をジェイＺらが持つストリーミング・サーヴィス、タイダル(TIDAL)独占でリリースすると発表したプリンスが2015年8月8日(土）、ミネアポリスのペイズリー・パーク・スタジオで一般客をいれたパーティーを主催。その途中で10人のブラック・ジャーナリストを迎え、プライヴェートな懇談会を行った。

パーティーでは生演奏はなかったものの、ニューヨークからやってきた女性DJがプリンスの次のアルバム『ヒットンラン』に収録されるとみられる「ミリオン・ダラー・ショー」と「シャット・イット・ダウン」（タイトルは推定）をかけた。

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いつも通り、携帯電話、録音機材持ち込み禁止。メモも禁止の取材。ただし質問には制限はない。いわゆる録音、メモはできないが、自由な懇談会のようなもの。

この中で、アーティストとレコード会社の関係に言及。最近のストリーミングでのアーティストへの分配が圧倒的に小さいこと（1曲あたり平均、0.11セント＝0.12円）、アーティストはクリエイティヴな自由、それをリリースする自由を持つべきだと主張した。

その点、ジェイＺが持つストリーミング・サーヴィスはアーティストのことを第一に考えているとして、ここで契約したことを明かした。

ジェイZは、すでに1億ドル（約125億円、1ドル125円換算）をこのシステムに投資しているという。ジェイZはプリンスに他のアーティストとのコラボレーションなどの自由を与えた。また、ストリーミング・サーヴィスについては、そこから発生する印税などは、レコード会社などを通さず、直接アーティストに支払われるべきだと語った。

これに先立ち、プリンスはほぼ全曲のカタログをスポティファイなどのストリーミング・サーヴィスから引き上げている。

また、若いアーティストへのアドヴァイスとして現在の契約は「奴隷のような契約」であり、ひとたび契約してしまうと、出版から原盤までありとあらゆる権利を奪われてしまう、だから、「レコード会社とは契約するな」と以前からの持論を述べた。　

さらに、ラジオ界で独占的に局を持つようになっているクリア・チャンネル社に対しても批判的だった。

ジャーナリストから「それでは、あなたのメッセージはどうやって発信していくのですか」と尋ねられると、彼独特の笑みを浮かべ、「だから、あなたたちが（今日）ここにいるんです」と答えた。

プリンス自身、アメリカの音楽著作権管理団体ASCAP（日本のJASRACに相当）を脱退していることも明かした。

なお、『ヒットンラン』アルバムは、フィジカルのCDでもリリースするとのことだが、そのレーベル、配給先の言及はなかった。

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この週、ミネアポリスでは、「ナショナル・アソシエーション・オブ・ブラック・ジャーナリスツ」の会合が開かれており、その出席者900名に、出席を証明するバッジを持参すれば、土曜日のペイズリー・パーク・スタジオでのパーティーに20ドルで招待する旨が伝えられた。一般の入場者の入場料は50ドル。その900名の中から10名が選ばれ、当日プリンスと別室で45分ほど懇談した。

最初ジャーナリストたちはスタジオAに招かれたが、その部屋が狭かったために、同じフロアにある会議室に場所が移された。

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デビュー前からミネアポリスでプリンスを取材している「ミネアポリス・スター＆トリビューン」誌のジョン・ブリームの記事。ただこの記事だと、ジョンも参加していないようだ。ひょっとしたら今回は全員黒人のジャーナリストが選ばれたからかもしれない。ブリームは白人。→

http://www.startribune.com/prince-welcomes-black-journalists-association-for-unusual-night-at-paisley-park/321167791/
　
そのほかの掲載記事など。

ザ・ルート誌（BRYAN MONROE）10人の一人。→
http://www.theroot.com/articles/culture/2015/08/prince_interview_he_slams_music_industry_tells_new_artists_don_t_sign.html

USAトウディ誌（Maeve McDermott）10人の一人。→
http://www.usatoday.com/story/life/music/2015/08/10/prince-record-contracts-slavery/31401429/

バズフィード・ニューズ(Kelly Carter)10人の一人。
http://www.buzzfeed.com/kelleylcarter/this-is-what-it-sounds-like-when-doves-cry#.dboKYoE3z9

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メディアアイト誌
http://www.mediaite.com/online/prince-calls-record-contracts-slavery-while-lording-over-journalists/

ラフな翻訳版（バークスより）　http://www.barks.jp/news/?id=1000118628　

詳しい訳記事（BMRより）
http://bmr.jp/news/142196

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