◎ダイアナ・ロス~思い出フラッシュバック | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ダイアナ・ロス~思い出フラッシュバック

【Diana Ross: Another Great Soundtrack For Your Life】

思い出。

ダイアナ・ロスが単独公演としては1996年6月~7月以来18年半ぶりのコンサートを2015年1月6日(火曜)日本武道館で行った。(来日自体は2003年12月企業イヴェント以来) 昨年(2014年5月)から全米などで続いている「イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ・ツアー」のアジア・レッグの一環での来日。シンガポールから日本にやってきた。

VIP席4万7000円から、B席9000円まで、舞台の真横まで超満員。さすがに年齢層は圧倒的に高かった。50代から60代が中心。40代は若い方ではないだろうか。

暗転して、白い幕が落とされ、ほぼ同時にダイアナの「アイ~ム・カミング・アウト~~(いまいくわよ~~)の声が武道館を覆った。そして彼女が舞台下手からエメラルド・グリーンの豪華なドレスで登場。歓声が巻き起こる。

バンドはギター、ベース、キーボード、ドラムス、パーカッション、ホーン4人、コーラス3人の12人編成。これにダイアナ。

全20曲78分、5回の衣装チェンジ6タイプのドレスを見せ、超贅沢におしゃれを演出、全曲ヒット曲ばかりで、観客を圧倒した。

ショーの構成もスプリームス時代のモータウンもの、ソロになってからのヒット、ディスコをはさみ、ジャジーな雰囲気のもの、そして、おなじみのヒット群と、緩急をつけて飽きさせない。日本で特に人気の高い、「マホガニーのテーマ」(インスタント・コーヒーのCMでメロディーが使われたもの)、なんどもリメイクされ知られる「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」、「タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング」、ディスコの「アップサイド・ダウン」「ボス」など、当時リアル・タイムで聴いていたファンにとってはたまらない思い出フラッシュバックとなった。声もしっかりでていて、オーラも満開。まさにスーパースターの貫録。

一言、これだけのヒット曲があったら、それだけで圧倒される。ラスヴェガスあたりの豪華なディナーショーのような雰囲気さえ漂わせていた。

こうなると、ヒット曲の積み重ねがあって、そのヒット曲が本人の生声で歌われるだけで、その時代に瞬間にタイムスリップできる。それは音楽の持つマジックだ。そういう意味で30年、あるいは40年、50年間、彼女を聴いてきたファンにとっては、ただの一本のライヴ、コンサートという次元を超えた空気、体験の共有時間としての価値が生み出される。これはポール・マッカートニーやローリング・ストーンズなどとも同じものだろう。

ヒット曲を歌ってきた本人が目の前で歌うだけで感極まる観客のなんと多かったことか。この日、どれだけ武道館が涙であふれたのか。これもまたダイアナ・ロスの歌声と歌が、9000人の観客のそれぞれの人生のサウンドトラックになっていた証だ。

僕は個人的には1973年の初来日以来、毎回見てきたが、なんといっても1983年7月のニューヨークのセントラル・パークでの豪雨の中でのライヴ(途中で中止)の思い出が強烈だ。

アンコールは日本だけのために歌った「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」。アメリカやその他の国ではまったく歌われていない日本の観客だけへのプレゼントだ。途中、歌詞を観客に歌わせたが、多くの観客がこれを歌い、なかなか感動的だった。

彼女の代表曲「アイム・カミング・アウト」(行くわよ~)から始まり、「私はまだまだ生き延びるわよ(アイ・ウィル・サヴァイヴ)」で終わる。この始まりとエンディングは彼女のはっきりしたステートメントだ。まだまだやる気と見た。

追記。2日目のライヴでは、アンコール「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」のあとに、これまた18番、「リーチ・アウト・アンド・タッチ」をダブル・アンコールとして歌ったそうだ。


~~

おまけ。

僕は一階南で楽しんだが、開演直前ざわざわしたと思ったら安倍首相がSPを多数引き連れて来場。アリーナの人たちも一斉に安倍氏たちに向けてカメラを向けていた。安倍さんも1970年代から80年代にかけて、遊んでいたころダイアナ・ロスのレコードとか聴いていたんだろう。まさにそういう時代だ。遊び人だったんだろうね。今でもか。(笑)

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■メンバー
Diana Ross -Vocal

Gerry Brown – Drums
George Mitchell – Keyboards
Cecil Thomas Jr. – Bass
Michael Sechrest – Guitar
Ron Powell – Percussion

John Scarpulla – Sax
Brad Mason – Trumpet / Flugel Horn
Mark Miller – Trombone
John Isley – Sax

Lamont Van Hook – Vocal
Fred White - Vocal
Valerie Pinkston – Vocal

■セットリスト

Diana Ross Setlist 2014/01/06 @ Budokan
[ ] denotes original artists and/or artists who made it hit

Show started 19:09
01. Intro - I'm Coming Out
02. More Today Than Yesterday [Spiral Starecase]
03. My World Is Empty Without You [Supremes]
04. Baby Love [Supremes]
05. Stop! In the Name of Love [Supremes]
06. You Can't Hurry Love [Supremes]
07. Love Child [Diana Ross & The Supremes]
08. The Boss
09. Touch Me In The Morning
10. Upside Down
11. Love Hangover
12. Take Me Higher
13. Ease On Down The Road [Michael Jackson, from “The Wiz”]
14. The Look of Love [Dusty Springfield]
15. Don't Explain [Billie Holiday]
16. Why Do Fools Fall In Love [Frankie Lymon & The Teenagers, Diana Ross]
17. Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)
18. Ain’t No Mountain High Enough [Marvin Gaye & Tammi Terrell, Diana Ross]
19. I Will Survive [Gloria Gaynor](a riff of "Billie Jean"
Enc. If We Hold On Together
Outro Theme. I Will Survive
Show ended 20:27

(2015年1月6日火曜、日本武道館、ダイアナ・ロス・ライヴ)

ENT>LIVE>Ross, Diana

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