◎プリンス・シカゴ・ライヴ(2日目)~ジェニファー・ハドソンがサプライズ登場 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎プリンス・シカゴ・ライヴ(2日目)~ジェニファー・ハドソンがサプライズ登場

【Prince Live At Chicago (Day Two)】

プリンスが2012年9月24日から26日まで3日間シカゴのユナイテッド・センターで行なったライヴ・レポート、パート2。本編ライヴ後近くのライヴ・ハウス「ハウス・オブ・ブルース」で行なわれた「アフター・パーティー」の様子もご紹介。プリンス・エヴァンジェリスト、ツナさん入魂レポート、2日目です。

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緊急特集:今日の『ソウル・ブレンズ』(関東地区・インターFM、76.1mhz午後1時~3時)内「ソウル・サーチン」(午後2時30分~)では、プリンス・シカゴ・ライヴ・レポートとともにプリンスの曲をご紹介します。

関東地区の方は、ラジコを通じてパソコン、スマートフォンなどで聴けます。

http://radiko.jp/player/player.html#INT

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プリンス・ライヴ・アット・シカゴ(パート2) Written By Tuna

2012年9月25日(火)

2日目。

プリンスのライヴが行なわれたユナイテッド・センターへの公共交通機関での行き方は二通りある。

一つは鉄道。

シカゴ・トランジット・オーソリティー(鉄道。ロック・グループ、シカゴの名前の由来となったもの)のイリノイ・メディカル・ディストリクト駅を降り、目の前にあるマルコムXカレッジを通り過ぎると丸い屋根が見えてくる。

駅から徒歩10分ぐらいだ。電車は24時間運転しているが、深夜に駅まで歩くのは少々気になるのであまりお勧めしない。

もう一つがバス。

路線網と運行本数が多いので移動には重宝する。スタジアム前にもバス停があり、しかも、試合やコンサートがある時には臨時バスも運行されるの非常に便利だ。

シカゴでは、バスも電車も初乗りは同じで2ドル25セント。どこまで行っても同一。ただバスは現金で乗れるがお釣りがでない。ぴったり小銭を用意しなければならない。そこで一週間程度滞在する人のために7日間パス(23ドル)というのがあり、さっそく購入。これで私の滞在中、電車、バス乗り放題になった。

2日目は前夜ほど焦ることはなかったが、それでも開演時間にあわせて入場してみたが、やはり定刻通り始まる気配は全くない。

今夜の座席は昨日の反対側、シンボル・マークの右側の前から6列目である。ステージより少し高い位置なのでステージを見下ろす形になる。また、頭上にあるいわゆるサーヴィス映像を映す大きなスクリーンを観ることができるのも前日とは違う。

昨日はステージの反対側に行ったときや背中を向けたときにスクリーンを観ることができない場所だったが、今日は大きな姿や表情を観ることができそうだ。そのスクリーンでは開演までプリンス・ファミリーのプロモーション・ビデオが流れていた。マザラティー、マッドハウス、アンドレ・シモーンなどだ。

プリンスのライヴは毎回セットリストが違うのはご存知の通り。いろいろな曲が縦横無尽にでてくるため、マニアになると、すべてのライヴに行きたくなる。

二言。

20時30分。昨日よりは30分も早いが、予定の開演時間から遅れること30分、客電が落ちバンド・メンバーが定位置についた。そして、いきなり、聴き覚えのあるイントロが流れてくる。

20時36分。Dearly beloved...。この二言が発せられたその瞬間観客の歓声は悲鳴に変わった。

1984年に発表されたプリンス最大のヒット・アルバム『パープル・レイン』の1曲目「レッツ・ゴー・クレイジー」のイントロだ。それにあわせて現れたプリンスの格好は今回のポスターの衣装そのまま。さらに金色のサングラスまでかけていて、まさに「ウェルカム・トゥ・シカゴ」ツアーの真の始まりのようだ。

昨日は気がつかなかったがステージを見下ろすとシンボル・マーク型に縁取られているステージの縁にある電飾が楽曲にあわせて光っている。こんな仕掛けが最前列からだと近すぎて分からなかった。

プリンスは冒頭、「昨日みなさんにご不便をおかけして申し訳なかった。改善を心がけています」とあいさつ。

大所帯バンドで音圧は厚く、グルーヴ感は文句なし。テンポ良くコンサートは進んでいったがこの日は何曲も嬉しい選曲があった。

久し振りに聴いた幻想的な「サムタイムス・イット・スノーズ・イン・エイプリル」。

もしかすると私はライヴでは初めて聴いたかもしれない「シーズ・オールウェイズ・イン・マ・ヘア」。

2009年のアルバム『ロータスフラワー(Lotusflow3r)』に収録されている「ドリーマー」。これなんて聴けるとは思わなかったから驚きだ。

そして、イントロだけでは分からず歌いはじめてようやく分かった「アイ・クド・ネヴァー・テイク・ザ・プレイス・オブ・ユア・マン」。この曲はシングル・カットもされたポップな曲だが、静かに始まりプリンスが狂おしく声を搾り出すように「Never、Never」と歌うところは感動的だった。

昨日購入した今回のコンサート・パンフレットに写真とともにゲストとして紹介されているのはラリー・グラハム、メイシオ・パーカー、ジャネール・モネイ。(ちなみにラリー・グラハムは今回は登場しなかった)

サプライズ。

しかし、今夜の「ナッシング・コンペアーズ・トゥ・ユー」にはアナウンスされていない女性ゲスト・ヴォーカルがデュエット相手として登場した。スラリと背が高く綺麗なその女性はなんと、同じシカゴ出身のスーパースター、ジェニファー・ハドソンだった。地元シカゴらしく人気スター、ジェニファーのサプライズ登場は熱狂的に受け入れられていた。

22時08分。非常に素晴らしい歌声を聴かせてもらったあとは「パープル・レイン」で一旦終了。まだ2時間経っていない。

1時間半一気に突っ走ったからと言って前夜のようにあんまりアンコールまで長く待たされたくないなぁと思っていたら、プリンスはたった1分でステージに戻ってきた。

そしてアンコールとして「リトル・レッド・コルベット」を演奏、曲が終わった後はこれでショーも終了かと思った。

前夜の最後の曲がそうだっただけに帰る客も多く最前列から5列目まで殆ど人が居なくなったので私は前の方まで降りてみた。

すると、5分ほどして先ずはバンド・メンバーが現れてその後にプリンスが登場した。二度目のアンコールだ。

そして演奏されたのが、今のところの最新作『20Ten(トゥエンティー・テン)』からの「アクト・オブ・ゴッド」だった。これにはまた驚かされた。

さらに、その後にジャネット・ジャクソンの「ホワット・ハヴ・ユー・ダン・フォー・ミー・レイトリー」を大サーヴィス。この曲で思い出すのは1990年の東京ドーム公演だ。 

最後は残っていたVIP客をステージにあげて「パーティーマン」にて本当に終了。

初日と比較してヴィジュアルも選曲もアレンジも大変満足した夜であった。

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移動。

会場前に止まっている臨時バスは真ん中に連結部分のある長い一台だった。こんなのは以前、海浜幕張駅で見たことがあるぐらいだ。満員になったところでダウンタウンに移動。バス停からは「アフター・ジャム」の会場「ハウス・オブ・ブルース」に歩いた。

今夜は3列目中央辺りに立ち位置を見つけた。最前列は先に帰った友人たちが陣取っている。

DJがノンストップで音楽を流す中、一時間余り待っていたところでステージが始まった。

今夜は昨夜の約束通り幕が開くとプリンスがいる。如何にもアフターっぽく重いビートのジャムが続く。

「ジャム・オブ・ジ・イヤー」が始まるとコール・アンド・レスポンスで盛り上がり、「デイズ・オブ・ワイルド」は非常にファンキーである。

そして、その後のギター・フレーズで一瞬自分の耳を疑った。まさかのアンドレ・シモーンの「ダンス・エレクトリック」のイントロを演奏しているからだ。この曲は元々1984年に作られて、1985年にはアンドレ・シモーンの『A.C.』というアルバムに収録されていた。今年4月のオーストラリア・ツアー前にリハーサル音源として「ザ・ダンス・エレクトリック・ジャム(The Dance Electric Jam)」として配信されていた。そのため、演奏する可能性はあるとしてもまさかと思っていたら、やってくれたの嬉しかった。しかし、プリンスは「ダンス・エレクトリック」のイントロをプレイしたら、それだけで、次の曲「マウンテンズ」と「エヴリデイ・ピープル」に行ってしまった。「ダンス・エリクトリック」を期待していたので、ちょっと肩透かしをくらった感じだった。しかし、「エヴリデイ・ピープル」のあと、ちゃんと「ダンス・エレクトリック」に戻ってきてくれた。この曲も生で聴くのは当然初めてである。これは最近のツアーではやっていなかったので、どんなアレンジになるかなどまったく予想できなかったので、大変嬉しい誤算だった。

1時58分。そんな興奮の中、プリンスが退場。

そして、2時01分になってシェルビー・Jが10分ほど担当した。その後、プリンスが再登場して「ゲット・オン・ザ・ボート」にて終了。

今夜は本編もアフターも非常に充実しており私自身大満足した夜であった。

そのため、終わった直後に友人たちと感想を語り合っても、みな同じような感動を共有していた。最終日後にいつの公演が良かったかと話し合ってもこの2日目が一番だという意見が多かった。勿論私自身もそうだった。

会場を後にしたのは3時を過ぎていた。外に出ると真っ暗で風が冷たくあっという間に汗が引くぐらいの寒さであった。

(3日目レポートにつづく)(なお、明日は告知がありますので、プリンス・レポート3日目はあさってになります)

(文責・吉岡正晴)


■ セットリスト プリンス、シカゴ・ユナイテッド・センター、2012年9月25日(火)

■メンバーは次のゲスト以外前日と同様
+Jennifer Hudson (Special Guest)

Show started 20:30

01. Thunderstorm Intro
02. Let's Go Crazy
03. Delirious
04. Let's Go Crazy (Reprise)
05. 1999
06. Shhh
07. Let's Work
08. U Got The Look (With Damaris Lewis)
09. Sometimes It Snows In April
10. People Pleaser (Andy Allo Lead Vocal)
11. She's Always In My Hair
12. Dreamer
13. I Could Never Take The Place Of Your Man
14. Take Me With U (Andy Allo Co Lead Vocal)
15. Raspberry Beret
16. Cream
17. Cool (Incl. Don't Stop 'Til You Get Enough)
18. Nothing Compares 2 U (Jennifer Hudson Co Lead Vocal)

19. Purple Rain

20. Controversy (Incl. Housequake Chants, With Damaris Lewis)

21. Piano Set : How Come U Don't Call Me Anymore

22. Sampler Set : When Doves Cry - Nasty Girl (Instr.) - Sign 'O' The Times- Hot Thing - Alphabet St. (Instr.) - Forever In My Life - Darling Nikki (Instr.) – Mr. Goodnight - I Would Die 4 U

23. Kiss

24.(Encore) Little Red Corvette (With Andy Allo)

25. (Encore) Act Of God
26. (Encore) What Have You Done For Me Lately (Shelby J. Lead Vocal)
27. (Encore) (Theme Song From) Which Way Is Up ? (Shelby J., Liv Warfield, Elisa Dease Co Lead Vocal)
28. (Encore) Partyman (Incl. It's Alright, Controversy Reprise)

Show ended 23:06

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House Of Blues, Chicago
26th September 2012 (am)

show started 0:57

01. Instrumental Jam #1
02. Instrumental Jam #2
03. Instrumental Jam #3
04. Be Happy (Shelby J. Lead Vocal)
05. Jam Of The Year (Incl. Also Sprach Zarathustra)
06. $ - Boogie Woogie Bugle Boy - Song Of The Heat (Incl. Also Sprach Zarathustra)
07. Days Of Wild - Wild & Loose (Incl. Ain't Nobody)
08. The Dance Electric (Intro)
09. Mountains
10. Everyday People
11. The Dance Electric

12. Brown Skin (Shelby J. Lead Vocal)

13. Stratus
14. Get On The Boat

Show ended 02:24

(2012年9月25日火曜、シカゴ・ユナイテッド・センター、プリンス・ライヴ)
(2012年9月26日水曜、シカゴ・ハウス・オブ・ブルース、プリンス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Prince

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