◎ジャスミン・カラ初ライヴ~ハイパーアクティヴなキャラ全開 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ ジャスミン・カラ初ライヴ~ハイパーアクティヴなキャラ全開

【Jasmine Kara Live: Hyperactive Kara! 】

ハイパーアクティヴ。

本当に意外なほど小柄だった。スウェーデンとイランのハーフで、現在スウェーデン在住のシンガー、ジャスミン・カラの初来日ライヴ。デビュー作が、なんと1960年代から70年代にかけてのシカゴの名門R&Bレーベル、チェス・レコードの作品ばかりをカヴァーしたという「ニュー・オールド・スクール」のR&Bシンガー。ハスキーなパンチのある歌声がCDでは魅力的だ。

おそらく身長150センチくらいか。とても小柄だが、とにかく元気いっぱいで、ステージでもステージまで行く観客席通路でも、弾けている。

メンバーは、彼女はいつでもどこでもハイパーアクティヴで、元気いっぱいだという。彼女は何でも思いついたら「曲が書けた」って言い出して、紙に何か書いている。たとえトイレから出てきたときでさえ、「曲のアイデア、思いついた!」って言うほどだよ、と説明してくれた。

ドラムス、ギター、ベース、キーボードに2人のホーン、バックコーラスを従えたジャスミンはデビュー作からの曲を中心に約70分のステージをやりとげた。客層はいつものブルーノートの客層と違って、若い人が中心で超満員、立ち見まで。特に土曜・日曜は一日ワンショーしかなかったせいか、満員になった。

全体的なサウンドは、CDをうまく再現する感じで、まさに60年代モッズ風、R&B風、ロックンロール風と、60年代チェス風と60年代のレトロな雰囲気が存分に出たステージ。メンバーは全員おそろいの黒のスーツにネクタイとちょっとおしゃれ。CDやプロモビデオの映像からは、ネクスト・エイミー・ワインハウス的なイメージがあったが、実際にライヴに接してみるとチェスのR&Bでデビューしたことから、ベティー・ライト・プロデュースで昔のR&Bカヴァーでデビューしたジョス・ストーンの登場を思わせた。ジョス・ストーンはものすごく背が高く大きいのだが、それとは対照的。

セットリストは、デビュー・アルバムの作品をほとんどプレイし、さらに2曲新曲をいれた。下記6曲目の「アイ・ラヴ・ユー」と13曲目の「ホワット・クド・ハヴ・ビーン」だ。

「マイ・パーティー」ではシカゴ・ブルーズを彷彿とさせるサウンドで、途中に長尺のブルーズっぽいギター・ソロをいれた。

ミディアム、アップテンポが多いので、客席は3曲目からもう総立ちで、体を揺らす。

ライヴ後は、サイン会。新作はすでにトラックは録音しており、あとはヴォーカルを入れるだけの状態になっているそうで、秋口までには新譜を出したいという。デビュー作、日本では今年になって話題になったが、本国ではもう2年前のリリースなので、早く新譜を出したいようだ。

ちなみにそのデビュー作、なんとレコーディングはわずか2日で完成したという。

セットリストで、デビュー作に入っていない曲は、オリジナル2曲とアンコールで歌われた「オープン・ザ・ドア・トゥ・ユア・ハート」。「オープン・・・」はデトロイトのR&Bシンガー、ダレル・バンクスのヒットで、ジャッキー・ウィルソンもカヴァーしたR&B
ヒットだ。

次回の再来日も大いに盛り上がりそうだ。

■ デビュー作 (日本盤ライナーで、ジャスミン・カラの詳細バイオ、カヴァー曲のオリジナルの解説を書きました)



■ メンバー

Jasmine Kara(vo)
ジャスミン・カラ(ヴォーカル)
Jesper Lagercrantz(back vo)
ジェスパー・ラーゲルクランツ(バックヴォーカル)
Petter "Professor P" Bergander(key,org)
ペッテル“プロフェッサーP” ベリガンデー(キーボード、オルガン)
Tore "Big T" Berglund(sax)
トーレ“ビッグT”ベリルンド (サックス)
Magnus Wiklund(tb)
マグヌス・ヴィークルンド(トロンボーン)
Chris "Lil' Chris" Shorooi(g)
クリス“リル・クリス”ショルーイ(ギター)
Joacim "Mad Midget" Otterbjörk(b)
ヨアキム“マッド・ミジェット”オッテルビヨルク(ベース)
Andreas "Mean Machinery" Henriksson(ds)
アンドレアス“ミーン・マシーナリー”ヘンリクソン(ドラムス)

■ セットリスト

show started 20:09
01. Liberation Conversation
02. Fire
03. Are You Doing Me Wrong
04. My Babe
05. In The Basement
06. I Love U (new)
07. Ordinary Joe
08. Must I Holler
09. Try My Love Again
10. Grits Ain’t Groceries
11. My Party
12. Ain’t No More Room
13. What Could Have Been (new-Jasmin original)
14. Liberation Conversation [repeat]
Enc. Open The Door To Your Heart [Darrell Banks]
Show ended 21:15

(2012年6月10日日曜、ブルーノート東京、ジャスミン・カラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kara, Jasmine
2012-