◎ジョン・オーツ~南部音楽を求めて | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ジョン・オーツ~南部音楽を求めて

【John Oates: Searching For Southern Music】

ルーツ。

観客の何人かは、ちょうどこの日のライヴと重なっている山下達郎ライヴとこのジョン・オーツ・ライヴの両方に日替わりで行くという人がいたそうだ。僕は5日が山下達郎、6日がジョン・オーツ。その逆、5日にジョン・オーツ、6日に達郎さんという人もいる。

80年代に大人気となったデュオ、ホール&オーツのジョン・オーツのほうのソロ・ライヴ。一度ビルボードに2009年2月やってきて、ソロとしては今回が約3年ぶり二度目。ホール&オーツとしては数え切れないほど多数の来日を誇る。

ブルーノートの担当者から、ジョンの最新作やライヴはかなりブルーズっぽくクロっぽいので吉岡さん好みですよと誘われ、CDを聞いたら、ほんとにブルーズっぽくてびっくり。ちょっとノーマークだったのでこれは嬉しい誤算だった。

ダリル・ホールのソウル好きは有名だが、ジョンもこういうのが好きということで、二人はめちゃくちゃ音楽的に気があったのだろうな、とすぐにわかった。

エリック・クラプトンやスティーヴィー・ウィンウッドあたりが何部のブルーズ、ソウルをルーツとしてそうしたものを自身のライヴで見せるが、ジョン・オーツのライヴもまさにそうだった。

南部のソウル、ブルーズのほかにもうひとつ大きな要素はカントリーだ。ジョン・デンヴァー作の「リーヴィング・オン・ア・ジェット・プレイン」(ピーター、ポール&マリーのヒット)をやったり、ギターのリフがカントリー調だったり。要は南部の濃い音楽のオンパレードだ。

エルヴィスでおなじみの「オール・シュック・アップ」やコースターズの「サーチン」なんかもセットリストにいれている。そして、一番盛り上がるのは、やはり、ホール&オーツとしてのヒット。「シーズ・ゴーン」のところでは、イントロだけで観客がわっと沸いた。

ライヴ後、ジョンに会うと実にきさくな人だった。「まるで南部のジュークジョイントかなんかのライヴのようでした。あなたはニューヨーク生まれなのに(育ちはフィラデルフィア)、なんでこんなに南部の音楽、ブルーズやソウル、カントリーがお好きなんですか」と尋ねた。

すると、「十代の頃からそういうタイプの音楽が大好きだったんだ。だから、自分がバンド活動を始めると自然とそういう音楽ばかりをやるようになったんだよ」と答えてくれた。

ホール&オーツのライヴが『仕事』のライヴだとするとこのジョン・オーツのソロ・ライヴは、『趣味』のライヴなのかなとも思った。もちろんいい意味でのことだ。

■ 最新作 ブルーズヴィル・セッションズ

(なんとこのCDの日本盤解説がアドリブ元編集長の松下さん。そして、ライヴでばったり松下さんと遭遇した。松下さんと会うのは、オーチャードでのケニーG以来だった。「えらいねえ、よく来てるね~」と言われた。(笑))

ザ・ブルースヴィル・セッションズ (The Bluesville Sessions) [直輸入盤・日本語帯解説付]
ジョン・オーツ・バンド
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■ メンバー

John Oates(g,vo)
ジョン・オーツ(ギター、ヴォーカル)
Peter Adams(key)
ピーター・アダムス(キーボード)
Mark Newman(g)
マーク・ニューマン(ギター)
Michael Mercier(b)
マイケル・メルシエ(ベース)
John Michel(ds)
ジョン・ミシェル(ドラムス)

■ セットリスト:ジョン・オーツ、ブルーノート
Setlist: John Oates @ Bluenote, Tokyo, April 6th, 2012

Show started 20:03
01. Lady Rain
02. When The Morning Comes
03. Maneater
04. Out Of Touch
05. Leaving On A Jet Plane
06. Different Kind Of Groove
07. Dancehall Girls
08. He Was A Friend Of Mine
09. Come Back Baby
10. A Day In The Life Of American Man
11. Searchin
12. Ghost Town
13. Mississippi Mile
14. All Shook Up
15. It’s All Right
16. She’s Gone
Enc. Dreams Come True
Show ended 21:36

(2012年4月6日金曜、青山ブルーノート、ジョン・オーツ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Oates, John
2012-