◎レイラ・ハサウェイ~楽器に溶け込む「魅惑のロウ・ヴォイス」 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ レイラ・ハサウェイ~楽器に溶け込む「魅惑のロウ・ヴォイス」

【Lalah Hathaway: Lovely Low Voice】

一体化。

実力派ディーヴァ、レイラ・ハサウェイ、「低音の魅力」「魅惑のロウ・ヴォイス」レイラの2010年7月以来1年半ぶりの来日。

初日を見に行ったところ、なんとマサ・コハマ(ギター)とタイ・スティーブンス(ヴォーカル)が客席に。タイの横があいていたので、一緒に観戦。タイはモナコで一昨年夏にレイラに会ったという。

楽屋からステージまで歩く彼女の足は裸足。ステージの上でも裸足。

ミュージシャンに自由なスペースを与え、彼らが自由にクリエイティヴな音を出す。そして、レイラを見ていると、彼女がいかに自身の「魅惑のロウ・ヴォイス」をそのミュージシャンとのアンサンブルの中で声という楽器として引き立たせようとしているかがよくわかる。本当にレイラの歌声がそれぞれの楽器に溶け込んで一体化する様は美しい。

おちつきのある声は実に魅力的。バンドもタイト。今回のドラムは、エリック・シーツといい前々回の来日(ビルボード東京)、その前で担当していた人物で、自ら「ソウル・シーカーズ」というグループでも活躍するドラマー。完全に今風の音を出す。

今回思ったのは、彼女は十分にオールド・スクールのシンガーとしての貫禄を持ちながら、エイミー・ワインハウスやアデル、あるいはクリセット・ミッシェル的な21世紀型ニュースクールとの狭間に位置するシンガーではないか、ということ。

個人的にもっとも嬉しかったのは、アニタ・ベイカーの「エンジェル」とアース・ウィンド&ファイアーの「ラヴズ・ホリデイ」をメドレーにして歌ったところ。この2曲の選曲は、特にレイラにあってるなあ、と思った。もちろん、定番のルーサーの「フォーエヴァー…」あたりは、もう完璧にレイラのものになっているのだが。「イッツ・サムシング」の途中でのスキャット部分なども、いつもながら強力な聞き物。これを聴いていると彼女はまさにジャズとR&Bの狭間にも位置しているとも思う。

ユニークな立ち位置にいるシンガーだ。

■ レイラ・ハサウェイ・オフィシャル
http://lalahhathaway.com/index.html

■ ライヴは2012年1月8日(日)までブルーノート東京で
http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/lalah-hathaway/

■ レイラ・ハサウェイ過去記事
(Soul Searchin’ Archives On Lalah Hathaway)

2010年07月12日(月)
レイラ・ハサウェイ~スペースのある自由度あふれるライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10588308249.html

2010年07月14日(水)
ジャム・セッション・スペシャル~レイラ・ハザウェイ、アンジェラ・バンドらと
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10589654586.html

2008年05月14日(水)
レイラ・ハザウェイ~ダニーに抱きしめられて
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080514.html
前回来日ライヴ評。

February 04, 2006
Lalah Hathaway: Some Songs Were Too Long
http://blog.soulsearchin.com/archives/000809.html
前々回来日ライヴ評。

>さらに過去関連記事

1999年6月8日
ジョー・サンプル&レイラ・ハザウエイ・ライヴ評。『魔術師の指』
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/sample19990608.html
アルバム『ソング・リヴズ・オン』発売後のライヴ。

2003/02/15 (Sat)
Barefoot Diva:Lalah Hathaway「裸足のディーヴァ:レイラ・ハザウェイ」
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200302/diary20030215.html
2003年来日時ライヴ。

2003年2月14日
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/lalah20030214.html
レイラ・ライヴ評。新聞用とオルタナティヴ・ヴァージョン。

2003年4月30日
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030430.html
レイラのウェッブから。Knocking on Father's Door (レイラが父ダニーの作品をどう思っているかなどについて)

2003年8月19日
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030819.html
レイラ、マーカス、テイク6らのライヴ評。レイラ、「サムデイ・ウィル・ビー・トゥゲザー」を歌う

2004/05/11 (Tue)
As If Two Hathaways As One: Lalah Hathaway & Frank McComb Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040511.html/
レイラ&フランク・マッコムのライヴ評

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■ レイラ最大のヒット。ジョー・サンプルとの『ソング・リヴズ・オン』

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■ メンバー

Lalah Hathaway(vo)レイラ・ハサウェイ(ヴォーカル)
Toni Scruggs(back vo) トニ・スクラッグス(バック・ヴォーカル)
Jason Morales(back vo) ジェイソン・モラレス(バック・ヴォーカル)
Mike Aaberg(key) マイク・アーバーグ(キーボード)
Errol Cooney(g) エロール・クーニー(ギター)
Timothy Bailey Jr.(b) ティモシー・ベイリーJr.(ベース)
Eric Seats(ds) エリック・シーツ(ドラムス)

■ セットリスト レイラ・ハサウェイ 
Setlist: Lalah Hathaway @Bluenote
Tokyo, January 5, 2012

Show started 20:32
00. Intro
01. If You Want To (+) (=from new album “Where It All Begins”)
02. Small Of My Back (+)
03. Summertime
04. Breath
05. Medley: Angel / Love’s Holiday
06. Wrong Way (+)
07. Forever, For Always, For Love
08. It’s Something
Enc. Dreamland (Acoustic) (+)
Enc. Street Life
Show ended 22:41

(2012年1月5日木曜、東京ブルーノート、レイラ・ハサウェイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hathaway, Lalah
2012-002