◎軽音部大忘年会~空気の振動が感動につながる | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ 軽音部大忘年会~空気の振動が感動につながる

【Air Vibration Makes More Emotion】

振動。

ゴスペラーズ北山陽一さんが主催する友人ミュージシャンと自由にセッションを繰り広げる「軽音部」の大忘年会が、2011年12月27日(火)深夜24時(正確には28日午前)から朝方まで渋谷のライヴハウスで行われた。こんなにミュージシャンがいるかというほどの大賑わい。通路は満員電車並。自由にその場で会ったミュージシャンたちが、即興でいろいろなジャンルの曲を夜通し繰り広げる。

後半は時間が足りなくなり、セッションは1曲10分以内のお達しが。(笑) みんな曲を演奏するのが楽しいので、一度ステージに上がると、みんな演奏をやめようとしないのだ。

この「軽音部」は2000年頃、北山さんが彼のポケットマネーで音楽ジャンル、レコード会社、プロダクションなどの枠を超え、音楽の世界でビジネスを忘れて初心に戻り、楽しむために夜通しセッションをするという趣旨で始めたミュージシャンだけの内輪のパーティー。当初は小規模に2-30人程度で行っていた。年に1回のときもあれば、2-3回行われることもあった。徐々に規模が大きくなってきて、今年は、3回行われた。今回は通常の北山さん友人関係だけでなく、お店が呼んだミュージシャンたちも多数参加し、150人以上のミュージシャンが集まった。

これだけのミュージシャンが集まり、その場で曲と楽器パートを決め、自由にジャムセッションを繰り広げられる、そういう場があるということが、とても貴重だ。この「軽音部」にしろ、トクがやっている「トクズ・ラウンジ」にせよ、生身のミュージシャンが同じステージでお互いの目を見ながら、演奏をしたり歌ったりするところが、音楽の原点としてすばらしい。

どこかのツイートで見たが、音楽、音とは、元々は「空気の振動」からできていた。それが、打ち込み→デジタル録音→アイポッドなどのデジタル再生機で再生したものを聴いていると、そこに「空気の振動感」がなくなってくる。楽器がすべてデジタルになっても、歌声は空気の振動、震えだが、やはりすべて空気が振動して、その場でその振動を感じ取れるほうが「本物感」が強い。

そしてそうした「振動感」が「感動」につながるのだなあ、とつくづくこのセッションを見ていて思った。感動とは、「感」が「動く」わけだから。やっぱり、音楽からは「汗」が飛び散らなきゃ。

今月でアムリタの「トクズ・ラウンジ」が終わってしまい、次の場所を模索中だが、「トクズ・ラウンジ」や「軽音部」のような動きは、ゆっくりでいいので、長く続けていって欲しい。

この日は、トク、北山さん、山下達郎バンドの小笠原拓海さん、フユ、はんこやさん、マル、カツ、スウィンゴーSwing-Oさん、佐々木誠さん、澤田かおりさん、その他たくさんの人たちが来ていた。マサ・コハマは翌日ブルースアレイでのライヴがあるので、2日連続で会うことになった。

キーボードのスウィンゴーさんから彼の最新作のCDをいただいた。

Stop! Look! Listen!
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さっそく聴いたら、かなりかっこいいサウンドで仕上がっていた。ジャズ、ファンクの要素がいいグルーヴに乗って、まとめられている。

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