●黒沢薫ソロ・ライヴ~ビハインド・ザ・シーン | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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●黒沢薫ソロ・ライヴ~ビハインド・ザ・シーン
(昨日からの続き)

【Behind The Scene At Kurosawa Kaoru's Tokyo Live】

入念。

黒沢薫ライヴが終わってから、頭の中を巡っているのが、「おーお、お、君とだけ、ドーナッツ~~」。黒沢がハワイで入手したウクレレで弾き語りした、山下達郎さんの「ドーナツ・ソング」。その日楽屋には、ファンの人からドーナツの差し入れがあった。なぜか耳に残る。

今回の黒沢薫ライヴは、リハーサルから打ち上げまでおつきあいさせていただいた。

ビルボードライブ、午後3時過ぎ。リハーサルが進む。キーボードの松本圭司がドラムスに右手を振りながら、指示を出している。黒沢がコーラスのマルとユーコにバックコーラスの「ヒトのザワメキガ~~」のメロディーの一部を直している。すでに大阪、名古屋などをまわってきていて、ほぼ固まっているサウンドにも念入りに最終チェックを重ねる。

リハーサルの終盤で、バックのカーテンが開いた。すると、真っ青の空の向こうに赤坂の高層ビル群の勇姿が出現した。ちょうど外から光が降り注いでくるので、黒沢はじめミュージシャンたちの姿がシルエットになった。なかなか見たことがない光景だった。

今回は、何カ所もバンド・メンバーとツアーをしてきて、気心も知れ、楽屋はいつも笑いが絶えない。マルはいつも大きな声で何かしら声をだしたり、歌っている。携帯端末でテレビゲーム対戦をしているメンバーもいる。スポーツ・トレーナーが、黒沢をはじめメンバーの体をマッサージしている。マネージャーが「あと15分です」とショーの開始時刻を促す。

ショーが始まる直前、メンバー全員が丸くなって集まり、黒沢がいくつか注意事項を言い、最後に全員が手を円の中心に合わせ、「ではがんばっていきましょう! おおおっ!」と声をあげてステージに出て行く。いよいよショータイムの始まりだ。

黒沢は言う。「今回はけっこうR&B色強くなっていますが、でも、いきなりジョーとかテディ・ペン(ダーグラス)を歌っても、なかなか伝わらないと思うので、そこにスムースに流れていけるような日本の楽曲をおいてみたり、MCで説明したりしてみたんです」 確かに、テディー・ペンダーグラスの「ターン・オフ・ザ・ライツ」に行く前には、セクシーな雰囲気を醸し出すために、キャンドルに火を灯し、ムードを演出。セットリストの5~8までのR&Bメローの中には、しっかり日本語の新曲を入れ込む。

一方マイケル曲(「アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」)を歌うときには、その前に「ビリー・ジーン」ネタで笑いを取るといった構成で、観客を飽きさせない。まさに押したり引いたり、プッシュ&プール、うっとりさせたり、笑わせたり、泣かせたりと観客を自由自在に操る。そのあたりの技が徐々にヴェテランの域に入ってきているようだ。

「MCもあんまり長くなると、しまらなくなるので、しゃべることをかなり準備して、台本書いて、歌と同じように練習したんです」と言う。今回は曲が決まってから何を話すか決めるまで、時間的にけっこう余裕があったので、よかったそうだ。なるほど、だから、90分余のショーがきっちりきっちりした感じがしたのだ。黒沢に振り付け、ダンス、動きなどを個人レッスンしたマイケル鶴岡は東京初日のライヴを見てこう言ったという。「(黒沢くん)『しゃべりがうまいねえ』って褒められて、踊りは褒めてくれなかった」と黒沢は笑う。

話しで一番注意したポイントは、スティーヴィー・ワンダーの「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」を歌いはじめる前のところだ。

「今回のテーマ、愛なんですけど、スティーヴィーの歌のメッセージを日本人が言うと照れくさくなってしまう。だからあんまりクサクならないように、しゃべることをじっくり考えました」と黒沢は言う。

プリプロ(事前に音を作る作業)に2日、リハ3回、一ヶ月以上前から入念に準備を進めたソロ・ツアー、それが今回のツアーだった。

■ 山下達郎 『コージー』 「ドーナツ・ソング」収録

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(2010年4月9日金曜、ビルボードライブ東京=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2010-57