前回の続きです。
*・*・*・*・*・*
そのまま先ずはレストランに向かいます。
レストランは順番待ちの券を発券すると
あとはスマホから
待ち時間や待ってる組数を確認できます。
「レストラン、あと20分待ちだって。」
「いい感じやん。ここから遠いの?」
「車で5分で着くよ!
うちの近所のお店にしたの」
「じゃあ…レストランで待ってれば
すぐ順番になるか」
「うん!」
フウくんに少しでも街の魅力を伝えたい。
でも観光地や有名場所なんて
実は、そんなにない。
フウくんが知ってる場所…
えーっと……
「あ!あそこ!
◯◯ってライブハウス!」
「おぉ!!有名なとこじゃん✨!」
「そうそう。
そのくらいしか、有名な場所ないかも/笑」
フウくんとの
せっかくの昼間デートなのに
案内出来そうな場所なんてなくて
心がソワソワしてる。
レストランの後は
どうしたらいいんだろう…
結局、案内出来そうな場所なんて
見つけられないまま。
「あ…ここは私がいつも行くスーパーね/笑」
要らない情報も無駄に与えながら
レストランに着いた時には
順番がスムーズに進んで
あと2〜3組で呼ばれるまでになっていました。
モコモコジャケットは
車に置いていきます/笑。
フウくんの服装、やっぱり好き・..・。*
チェック柄だったり
アシンメトリーだったり
私好みの服装はいつも可愛いなと思う。
店内に入り順番待ちの席に座りました。
いつも行くお店なのに
隣にフウくんがいる…///
なんか、すごく変な感じ💦
ふとフウくんの手首を見ると
服の袖からブレスレットが見えました。
あっ…
やっぱりちゃんと
ブレスレット着けてきてくれてる…
ベリル大粒のブレスレット✨
私もちゃんと着けてきましたよ///
そんな頭の中の独り言。
レストランに着いてからの待ち時間は
5分くらいで済みました✨
番号を呼ばれて
席に案内されました。
ちょっと地元では有名なレストラン。
人気はあるけど
正直好き嫌いは分かれると思ってます。
お肉がかなりレアなので
苦手な人は苦手かも。
(私はちょっと苦手です🤣🫢)
だから心配だったけれど
肉の赤さにフウくんは嬉しそう。
「ここ、結構レアだけど大丈夫?」
「俺、レアめっちゃ好き!
美味そう✨」
良かったー😭
二人で定番メニューを頼みました。
「今日、来て本当に大丈夫だったの?
子供食べたがってなかった?」
「大丈夫。
俺、ここのレストランにずっと来たくて。
一人でもいいから絶対行くって
ずっと言っていたし。
それで来たからいいんだよ」
「それならいいけど…」
やっぱり無理をしてまで
来てほしくはなくて。
フウくんが今日
どんな状況で家を出たのか
少し気になってしまう。
それでも
来てくれたからには
今日という日を目一杯に楽しみたい✨
席に着いて注文して
いつもの流れでお肉が届きました🤩
食べて一口…
「うまい✨」
とフウくん。
「よかったー!!」
「なんで?」
「えっ💦?なんでって…
せっかく食べたくて来たんだから
美味しくてよかったなぁって…」
「いやいや
お前に勧められて来たわけじゃないしw
俺がずっと食べたくて来たんだから
そんなこと気にしなくていいんだよ」
あ…そういうこと?
「そっか💦
でもやっぱり喜んでもらえて嬉しいよ✨」
「うん。ウマイですよ✨」
「でもけっこうレアだけど
そんなにレア好きなの?」
「好きだねー。
焼肉もかなりレアで食べるかも」
「そうなんだ✨」
こういう会話から
フウくんのことを少しずつ知っていく。
いつもホテルばっかりで
ご飯の会話なんてしないから
10年も過ごして来ていても
フウくんの好みもあまり知らないまま。
なんか、そう考えると変な関係/笑。
少しでも会話したい私だけど…
フウくんは意外にも
食事中は無言であることを発見!
ただただ、食べる。
「フウくん、食事の時に会話ないの!?」
「え?別に…」
えーっ、つまんない/笑。
私は会話しながらゆっくり食事したい派。
もちろん話しかけたら応えてくれるけど
フウくんは黙々と食べ進めていきます。
ふと見ると…
フウくんはもう
ほぼ食べ終わってました。
「フウくん、食べるの早くない!?」
「そう?」
「待って💦
私まだ全然進んでない💦」
「別にゆっくり食べればええやんw
俺は俺のペースなだけで
早く食べろなんて言ってないやんw」
「そうだけど…
あまりにも早いから焦る💦」
「ゆっくり食べなさいw✨」
「うん✨」
こういうところ、本当に好き。
私の不安を
ちゃんと解消してくれる言葉をくれる。
愛情表現らしい言葉は少ないけど
フウくんと一緒にいると
フウくんが優しいことが伝わってくる。
なんかやっぱり…
ホテル以外の時間があると幸せ・..・。*
食べ終わって12時半くらい。
「ここって、タバコ吸える場所ある?」
タバコを吸うフウくんが聞いてきました。
「あーっ…昔はね、
外に吸い殻入れが置いてあったけど…
今どうだったかなぁ💦
外、出ようか?」
「おう。」
会計を済ませて
昔吸い殻入れがあった場所に行くけど
今は無い。
「ゴメン💦
今は無いのかなぁ💦」
「いいよ。
とりあえず車乗ろう」
と車に乗るとフウくんが聞いてきました。
「で、今から何処行くの?」
「えぇっ!?
いやぁ…それが……笑
観光地が全然なくて…
行けてもちょっと遠くて……
動物園とか!笑!興味ないでしょ💦?」
「うん、興味ないねw」
「うわぁぁぁ…いく場所、無いよー笑
フウくん絶対に
ホテルって言うと思ってたから💦笑」
「いや、別にホテルじゃなくていいよ。
何処でもいいよw」
うそでしょ!!?
ホテルじゃないの!?
ホテルしか調べてないから笑!!
🤣🫢
するとフウくんが
「あ…
目の前のとこ、喫煙所じゃね??
俺、吸ってくるわ。
その間に何処行くか、決めておいて」
「えーーーっ💦」
そう言って
タバコを吸いに行ってしまったフウくん。
待って待って待って…
本当に普通のデートに行ってくれるの!?
ホテル絶対、とかじゃないの!?
というか…
何処に行くのよ
こんな田舎で/笑。
観光地に行くにも…
車で30分以上かかっちゃうし
夕方に帰ることを考えると
ちょっと時間的に楽しめない感じ。
無難にゲーセン??
それじゃあ、つまらない??
もう…予想外過ぎて
予定が完全に狂っちゃう。
でも
"フウくんはホテルが絶対でしょ"
と言いながらも
楽しくホテル検索していた自分がいて
行きたいから検索しているわけで…
なんだ…私も私じゃん…
私こそ、じゃん…
そんな自分にガッカリもする。
フウくんが戻って来ました。
「決まった?何処に行くの?」
「うーん…
ゲーセンとかも、つまらない💦?
やっぱり動物園か……
あぁぁ…行く場所がないーっ笑!
本当にホテルじゃなくていいの?」
「いいよww
俺、言ったよね?
レストランの後の予定は
お前に任せるよってw」
「言った!言われた!けど💦
フウくんだから
ホテルって言うと思ったし…
観光地もここから遠いし……」
「ホテルでいいよ?」
「えーっ、本当に💦?
せっかく来てもらったのに……」
「俺は全然いいよw
一先ず、ホテル行くか?」
「うん///」
あぁぁ…不本意だ
もう少しオシャレな場所とかあれば
良かったなぁ…
車を出そうとした時。
「コレ」と
ブレスレットを見せてきたフウくん。
ブレスレットのゴムが切れかけてる💦
「ちょっと…前もって言ってよ/笑!
今日は時間がないから…
次に会った時でも大丈夫??」
「いいよー」
ここから家は5分だけど…
家には親居るし
ブレスレット直したら
楽しく過ごす時間も減っちゃう…
と考えて
ブレスレットを直すことは諦めて
そのまま車を走らせました。
でもゴムが切れそうなくらい
着けてくれているんだと思うと
嬉しいなと思う✨
また会いに行って
直してあげなきゃ・..・。*
「フウくん、帰るのは何時頃?」
「17時か18時台の新幹線に乗れれば…」
「分かった!!
それならやっぱり観光地は難しいかも💦
せっかく来てもらったのに…
結局はホテルとか…本当に恥ずかしい…
大丈夫??楽しい?」
「俺は全然、大丈夫だよ。
ほら、知らない土地で
こうして景色見てるだけでも楽しい✨」
「そう💦?
この辺りが私の生活圏内だよ」
こういう時
フウくんは否定的な表現をあまりしない。
食事の時もそうだけど
私を怒ったりもしないし穏やか。
だから一緒にいて嫌な気分にならない。
こういうさりげない部分が
結構ポイント高いかも?
私に意地悪を言う時は言うけど/笑
それは冗談だって分かるから。
そうじゃない時に
苛々しないで優しくいてくれるのが
私としては本当に安心感。
小さな頃から
"遅い遅い"と親に怒られて
何も出来ないと言われてきて
感情的な家族に囲まれて来たから
穏やかで
優しく受け止めてもらえることだけで
私は幸せを感じられる・..・。*
「へぇー
結構、お店とか色々あるな」
「そうそう!
スーパーもドラッグストアも
飲食店も色々あるしね。
生活には困らないかも✨
あ!あそこが私のバイト先ね/笑」
「おぉっ✨
いや、本当に色々あるね」
車を走らせながら
カーナビに付いてるTV機能で
TVを観ていたフウくんが
「この時間にこんな番組やってるw」
とローカルあるあるにも笑ってくれる。
「田舎だからね/笑!
こっちでは映らないテレビ局があって
それが昼間にローカル局で流れるの」
「なるほどなぁ」
そうして車を走らせていると
外の景色を眺めながら
フウくんかボソッと
「新幹線でこの金額で
2時間で来れるんだよな…」
と呟きました。
また来てもいいな…
と言いそうな空気で。
フウくんの本音は分からないけど
また来たいと
思ってもらえたらいいな・..・。*
フウくんが助手席に座ってる
私の日常生活の中にフウくんが居る
その光景に、不思議な感覚になる。
今までもちゃんと現実だったんだけど
今までが実は
夢だったんじゃないかってくらい…
今この瞬間にリアリティを感じます。
"私が毎日過ごすこの景色の中に
フウくんという人が居る"
というだけで
こんなにも色鮮やかになる
私たちの関係って
ちゃんと現実にあるものなんだ
そう意識深くに届いたというか
フウくんの存在が心だけでなく
物質的にも近くに感じられるような
今までにない変な感覚。
「フウくん
そこの細い道曲がるとね!
まさに!なホテルがいっぱいあるよ/笑」
「へぇー」
田舎のホテル街だって
フウくんから見たら新鮮なはず。
「久しぶり過ぎて…ちょっと迷う💦
あ、この道この道!」
とゆっくりと車を走らせて
私が目指していたホテルが見えてくると
「おっ!
あそこ、めっちゃ可愛いやん✨」
とフウくん。
「そうそう✨
あそこね、部屋ごとにコンセプトが違って
ヨーロッパとか!アメリカンとか!
めっちゃ可愛いのー✨
まさにそこに入ろうと思ってて」
「おう!ええやん✨」
こういうのを楽しめるのって
やっぱり"性"に積極的だからだと思う/笑。
でも…
積極的な私、
女なのに…恥ずかしい…?
こんな女、どうよ?
と思ってる私がいる。
女が性に積極的なことって
すごく恥ずかしいことだと思ってしまう。
だからいつも
こんな自分に生まれてしまったことを
何処かで責め続けている。
今の仕事をしていても、そう。
キラキラしていなきゃ
いけないような気がしていて
純真無垢を求められてるような気がして
本当の自分を曝け出したら
お客さんなんか
居なくなっちゃうんじゃないかって怯えて
私は私の本性を何処かで責めている。
だから、時々苦しくなる。
性に関しては
色々と一般とは違う自分がいて
世間一般とは
外れている自分を感じる度に
気付いたら繕って笑ってて
なんか胸の奥が苦しくなる。
「フウくん、どの部屋にしようか?
ネットで見てた部屋はね…
てか…結構埋まってるね!」
「ほんとだな。人気だな、ここ。」
「あ✨
フウくん、この部屋✨
狙ってた部屋空いてた✨」
「楽しみやねー✨」
二人でついワクワクしちゃう。
テンション上げられる感じが、
また解放感✨
周りと違う自分のせいか
いつも日常で結構我慢してしまって
どこかいつも孤独が消えないから
分かち合えることだけで幸せ。
分かち合えるって、大事だと思う。
やっぱり人間は
認められたい生き物なんだと思う
分かち合えて
自分の感覚は大丈夫なんだって
感じられることは
すごくすごく大切だと思う
時間は、13時くらい。
ホテルに入りました・..・。*
つづく
*・*・*・*・*・*