コンテンポラリーダンサーの森山開次と、
フランスのチェリスト、ジャン・ギアン・ケラスのコラボによる、
バッハ無伴奏チェロ組曲の演奏会に行った。

バッハの曲とともに、
現代の作曲家によるプレリュード(前奏曲)が添えられていた。

チェロって素敵な楽器ですねえ。
バイオリンと比べて大柄で粗野な見た目なのに、
その音色はとっても多彩。

冒頭のプレリュード、最初の音は、
スピーカーから聞こえる雑音のような、ぼそぼそとした響き。
「どうか耳を傾けて・・・」と言っているかのようで、
それがしだいに、明瞭になり、バッハへ。

その背後で森山開次の肉体が、
音楽にからみつくように、しなる。

かすかな音にはかすかに、雄弁な音には雄弁に。
声にならない声が聞こえてくるようだった。

その空気に圧倒された。

・・・・・五感で感じたものを人に伝えることって本当に難しい。

再現は不可能だ。

人に伝える場合の殆どは、言葉で置き換える作業。

私が感じた音や動き、
そのイメージの何割を伝えることができるんだろう。

静か動か、といったスピードや雰囲気の言葉による置き換え。

自由を求める囚われ人のように空を仰ぎ見る動きから、
一転して猛り狂った戦士のように激しく体を前後に揺さぶる。。といった、

言葉による動きの模倣や比喩。

・・・これらによって、その舞台の様子がわかる?
うーん、絶対分からない。

もちろん伝え方の力量の問題も大きいはずだけれど、

見たもの、聞いたもの、感じたものを
言葉という、具体的な何かを指し示して表現する方法では、
限界がある。

・・・と、ここまで書いて、岳(息子)が、起きてしまった。

続きはまた明日!
(今日は夜まで研修のお仕事なんで・・。テーマは<WEB上の表現>)

なぜか、・・・「ごきぶりだじょー」だって。
いきなり現実に戻りマース。