ガスライティングには無数のテクニックがありますが、その象徴的なテクニックがノイズキャンペーンです。
これは聴覚を利用した嫌がらせ全般を指します。

聴覚は危険を察知するのに秀でたセンサーです。
なので危機感や不安感を与えるのに適しています。
空気の振動を起こすだけなので簡単に実行できます。

聴覚への刺激は、体が瞬間的に反応しやすいので、アンカリングという条件反射の条件付けを行うことにも適しています。
聴覚にアンカリングを行うことにより、条件反射を利用してターゲットの動きを操ることも可能です。

ノイズキャンペーンは様々なテクニックがあるのですが、その王道が騒音による嫌がらせです。
単純に不快音や危険音、警告音などの騒音による嫌がらせで、ほとんどの被害者が経験している犯罪です。

不快音としては、甲高い話し声、車のアイドリング、改造車の排気音、不規則なリズムの音などがあります。
音そのものが不快なだけでなく、改造車の音などモラルをも攻撃します。

危険音としては、叫び声、強い扉の開け閉め、エンジンの空ぶかし、タイヤのスキール音、車の走行音、ヘリコプター、テンポを速める音、速いテンポの音などがあります。
危険を感じる音は、本能的に嫌な音と感じますので、すべての人に共通する嫌な音です。
不安を与える音も危険音に含まれます。

警告音としては、警報音、咳、鐘の音、パトカー、救急車、クラクション、強い足音、ドアノックなどがあります。
危険音と警告音は強制的に気になる音なので、何らかの作業をしている時に、集中力を奪って作業効率を下げたり苛立たせることもできます。

全体的に車を使った騒音が多いようです。
車の音は、すべての人に共通した嫌な音のようで、騒音のアンケートでも常に上位にあります。
車の音は、人間に避けさせるために、危険音を発生するように設計されています。

危険音を聞くと、人間は恐怖や不安を覚えます。
危険音や警告音は、人間にとって嫌な音を使うことにより、その効果を高めています。
人間は生きるために、本能的に危険音を不快に感じるように出来ています。
車は身近なもので、誰でも簡単に大きな火力や音を得ることができますので使いやすいのでしょう。

アンカリングによって、被害者が特定の音を不快に感じるようにすることもできますが、音の反響を利用したり、周波数の調整によっても音を不快に感じるように変えることができます。
音の反射や指向性を利用して、被害者にのみ強い音に聞こえるように調整することも可能です。
家具の配置、壁の材質、建物の向きなど様々な物を調整し、音の反射をコントロールします。
また、被害者を音が聞こえやすい場所に誘導します。

例えば、子供がバスケットボールの練習を路上でしている場合、路面の材質、ボールの材質を調整することによって、ボールが路面にぶつかることで不快な音を出すようにすることができます。
また、よくある不快音がスケートボードのジャンプ音で、着地の衝撃音は危険音と警告音に似ているため、意識せざるを得ない音です。
これは誰でも嫌がる不快音ですが、世論を操作して気にするほどの音ではないと思い込ませます。
また子供の遊ぶ自由というジレンマも生みます。

このように、自然にあってもおかしくない音すべてが嫌がらせとして使われます。
アンカリングすることによって、さらに不快感を増幅させることが可能です。

音による睡眠妨害も頻繁に行われます。
眠りに落ちるタイミングや眠りが浅くなった瞬間、あるいは眠りが深くなった瞬間などのタイミングに合わせて行われ、被害者がそれに気づいた場合、怒りで眠れなくなります。
睡眠妨害の場合、インパクトがないと気づかれにくいために、破裂音や打撃音などの衝撃音や、音量が大きい騒音が多くなります。
また、アンカリングすれば小さな音でも気になるようになるので、実行可能になります。

被害状況としては、眠ろうとしている瞬間に危険音や刺激音など気になる音で起こされる、特定のタイミングでパトカーや救急車が通過する、被害者の行動に合わせて咳払いなどの日常音を発生させて被害者に自覚させるなど様々なパターンがあります。
ノイズキャンペーンでパトカーや救急車、ヘリコプターなど公的な音をよく使うのは、公共に逃げ場がないことを被害者に知らしめるためと、ガスライティング効果を狙ったものでしょう。

また、ヘッドホンなどで音楽を聴いてごまかそうとすると、音楽の途切れ目や終わった瞬間に、ノックに近いような気になる音を発生させてヘッドホンを取らせるというのも常套手段です。ヘッドホンをつけることに恐怖を感じるようにもなります。

衝撃波など、音ではない音波や振動が使われることも多いようです。
超音波や衝撃波は音を発生させないことが可能なため、周囲に気付かれないように被害者のみを攻撃することが可能です。
衝撃波は、耳というよりは触覚など体全体で感じます。
音と同じように体は反応し、危機感を感じたりします。
耳には聞こえない衝撃波や振動による睡眠妨害なども多いようです。

超音波を体に当てられることにより、健康被害が発生することもあるようです。

また、被害者の方が音を出すサイレントキャンペーンもノイズキャンペーンの一種です。
例えば、被害者のおなかが鳴るタイミングで周囲の人々が一斉に静まり返り、被害者が恥ずかしい思いをするといった嫌がらせがあります。
被害者が特定の音を出したところでアンカリングすれば、被害者自身が音を出すことにも恐怖を感じるようになります。

音波に音波を当てることによって音を消すということもできるようです。これはサイレントキャンペーンの高等テクニックです。

音は無限にありますので、ノイズキャンペーンも無限に際限なく、いついかなる音でも実行可能です。
アンカリングすることにより、すべての音が嫌な音になり、攻撃性を持つことになります。

統合失調症の説明では、音への過敏反応、すべての音を被害と結びつける被害妄想などと説明されています。
しかし被害者は種明かしをされているため、通常の日常音とは違うことを明確に理解しています。
日常音との見分け方は、やはりその頻度とタイミングです。また指向性でも不審を感じます。

長くなりましたので次回に頻度の異常性を説明します。