Aさんの集団ストーカー被害はこうして始めった

 

このように相手を刺激してしまった事でAさんは集団ストーカー犯罪に巻き込まれます。警戒心や恐怖心は当然だったかも知れませんが、感情的に刺激してしまったことは間違いだったと言わざるを得ません。
では、これからAさんが受けた具体的被害について書いていきます。

 

2-1.Bさんが中心となり監視尾行され始める

 

それから職場でBさんと口をきくことはなくなりました。同僚たちもわたしたちの険悪な雰囲気には気づいたようでしたが、女性同士でなにか軽くイザコザでもあったのだろうと、誰も深くは事情を聞いてきませんでした。

それからしばらくしてからのことです。わたしが会社から帰ろうとすると、会社の前にBさんと見知らぬ男女が五人ほどで、なにやら立ち話をしていました。わたしが出てきたのを見ると、Bさんが一緒にいた人間たちに、わたしを見てから目配せして何事か合図をしたようでした。すると、その中の二人の40代ぐらいの男女が、Bさんたちから離れて、わたしのあとを付いて来たのです。「気のせいだろう」と思いましたが、二人組は駅まで付いて来て、それからわたしの乗った同じ車両にも乗り込んで来ました。車内でも、ずっとわたしの方を見ているのです。
わたしが最寄り駅で降りると、その二人も降りて改札の外まで付いてきました。怖くなったわたしが走ると、さすがに二人とも走って来ることはなく、駅前で立ち止まって、走って逃げるわたしを目で追うばかりでした。その日は怖くなって、部屋に駆け込んですぐに布団にくるまるようにして寝ました。

後日、出勤のためわたしが家を出ると、何者かがわたしの後ろを等間隔に距離を取りながらついてくるのが分かりました。わたしが立ち止まるって振り返ると、四十代頃の背広を着た男性が、わたしの方を見て立ち止まって携帯電話を見ていました。しかし、その視線をチラチラとわたしの方に向けるのです。しかも、出勤時間帯だというのに、その人はカバンひとつ持っていなかったのが、非常に不自然でした。結局、その男性はわたしの最寄り駅前でまで付いてきました。朝の通勤ラッシュ時間帯の混雑ということもあり、同じ車両に乗らずに済みましたが、会社の最寄り駅に着くと、先日、Bさんと一緒にいて、会社からわたしの最寄り駅まで付けてきた二人組が待ち伏せしていたのです。彼らはわたしを見つけると視線で追い、わたしが会社に向かって歩くと同様に後ろから付いてきました。付かず離れず等間隔を取りながらです。
わたしに気付かれないというよりも、わたしに気付かれて威圧するのが目的のように感じられました。

そうした事が何度も続き、ある時は深夜にわたしの自宅マンション前に車が止まっていて、中にBさんと一緒にいた男女二人組が乗っていて、わたしを待ち伏せしていたこともありました。ある日には、わたしが集合ゴミ捨て場に出したゴミ袋が、翌朝には開けられて、中身があさられていたこともありました。

わたしがどんな生活を送っているか、監視しようとしているのが目的だったのでしょう。
まさに、わたし一人に対して何人もの複数の人間たちが、寄ってたかって、集団によるストーカー行為、嫌がらせまがいの行為を始めたのです。

 

2-2.宗教勧誘の拒否でストーカーは始まるとネットで知り……

 

わたしはネットで、その教団の過去の不祥事や事件について調べました。
入信した若者を親元に帰さない。被害者を弁護した弁護士や、教団を批判したジャーナリストたちに嫌がらせ行為をするなど、様々な反社会的行為が記録されていました。
その中でも、脱会した信者に対して、集団で付きまとう、行く手に立ちふさがる、自宅や職場付近で待ち伏せする、といったまさに集団によるストーカー行為、嫌がらせ事件も起こしており、過去には信者たちが警察に検挙された事件も起こしていました。

また、大学構内での勧誘をめぐって、極左暴力集団と衝突するなど、過激な顔ものぞかせていました。ただの人間を「神」として個人崇拝し、自らの財産や体すらも差し出してしまう、文字通りのカルト集団でした。勧誘を拒否した人間が、半ば監禁同然で何時間も執拗に入信を強制されたり、入信を断わったことでトラブルになった事例もありました。

「ただ入信を拒否しただけ」と、こっちは軽く考えていましたが、彼らにとっては唯一最高最善の「神」の教えを拒否したものであり、そうした相手は「悪魔」と同じであり、どれだけの時間と労力を費やしてでも叩き潰すべき「敵」となり得るのでした。入信を拒否した人間は集団によるストーカーをされやすいとも言えます。わたしはあまりに、世間の常識の物差しでしか、彼らカルト集団を見ていなかったのです。
これだけ些細な理由であっても、彼らカルト集団は集団によるストーカー行為や、嫌がらせを全力でやって来ることがあるのだと、まざまざと知りました。

 

2-3.両親すらも集団ストーカー被害を信じてくれない恐怖

 

それからわたしは、実家の両親に電話で相談してみました。
いつも「さっさと結婚しろ」と、ばかり言ってる両親にこんなことを相談するのも、気が引けましたが、他に頼るべき人がなかなか思い浮かばなかったからです。電話に出た両親は、「最近どうしているんだ?」と、早速聞いてきたので、Bさんと出会って、変なセミナーに誘われたら、それが某カルト宗教団体の勧誘セミナーであり、それから勧誘を受けるのを断わったら、それを理由にしてか、集団によるストーカーをされるようになったと説明しました。わたしが一通り話しても、両親は半信半疑で、「そんなに大変なら、そっちの仕事をやめてうちに帰ってこい。そしてお見合いでもしていい相手が見つかれば、そんな連中だって何もして来なくなるだろ。危ないと思ったら110番通報すればおまわりさんだって駆け付けてくれるだろ」と、やはり、結婚の話しをして、どこか他人事のような態度でした。わが親ながら、こうした事が起きてもあまり相談にならないし、子供の言うことを全部信じてくれなかったのが悲しかったです。

それからわたしは、その教団の被害者救済弁護活動に取り組んでいたことがある、弁護士の先生に連絡を取り、相談することになりました。お会いすると、先生はわたしを現役の信者か、脱会したばかりの信者だと思っていましたが、わたしがただ単に勧誘を受けて、それを拒否しただけの人間だと知ると、首を傾げ始めたのです。
「確かに、あの教団の勧誘は正体を隠して近づいて、極めて執拗で悪質なものです。しかし、あそこの信者は四六時中、寝る時間すらも削って、入信勧誘とお布施の金集めに駆り出されているんですよね。お言葉ですが、とてもAさん一人にそんな何十人もの人間が寄ってたかって嫌がらせするというのは、合理性が無いと思うんですよ」と、わたしの身に起きていることを否定するかのようなことを言ってくるのです。

「Bさんからは勧誘を受けたけど、Bさん本人から尾行や待ち伏せ、嫌がらせをされたわけじゃないんですよね?」
「はい」
「そうなると、Aさんを尾行しているのはどこの誰かも分からない、名前や住所はもちろん、あそこの教団の信者だっていう証拠は無いわけですよね。そうなるとこちらとしても、打つべき手が無いんですよね。とにかく証拠がないと」

カルト宗教団体を専門に手掛けてきたはずの先生ですら、わたしの話しに半信半疑だったのです。
それから警察にも相談しましたが、警察の答えも弁護士の先生と同じで、「どこの誰かも分からない。証拠も無い。犯罪の被害事実の特定も難しいとなると、刑事告訴はおろか、被害届を受け取るのも難しいんですよ」と、軽くあしらわれて終わりでした。

両親も弁護士も、そしてこの国の治安、国民の生命、財産を守るはずの警察すらも、わたしが受けている被害をまともに信じてくれないのです。