匪石 黙って聴けない性質
「王様の耳はロバの耳ーっ」他言してはいけない秘密を持ち続ける苦しさを掘った穴に向かって叫ぶとか「神の名において汝を赦すー」という懺悔室の必然性は完全なる善人でないコトを自覚する者なら判りますね。「心身症」「病は気から」という事象に対峙するのが生業ですから、患者様からの一見我儘にしか思えないような告白も凡そ受け止めておるのです。そうまずは「共感」という心の奥底の淀み・澱=ゴミのような感情を吐き出させ一度空っぽになったら気付いていただける境地に期待するのですがーゴミ捨てにも分別だったり、回収業者への敬意といった最低限のルールがあるように捨て方が卑しくなってはいけません。嫁いだ娘の仔、要するに孫連れで来院されて延々と婿やその御両親の愚痴を続ける患者様♀匪石と同年配。匪石「まあまあ孫ちゃんが聞いてるしぃほどほどにー」♀「四つや五つに判る話じゃないわぁっ」いやいや幼い仔とはいえ祖母がもう一方の祖父母を滅茶苦茶に言ってるのを聞かせるって、匪石内のルールに反するのだ。「男はつらいよ 純情編」森繁「一度は好きになった男なのだから、 長所が必ずあるはずで、 それを育ててあげなければいけない」 「とーちゃんは先に死ぬんだぞー」匪石「帰れるところがあると思うから、 失敗すればまた故郷に帰ればいいと思ってしまう、 それではいつまでも一人前になれないと諭すのが 親ではないか」子連れで泣き戻った娘・宮本信子を静かに諭す父・森繁久彌。黙っていられずご存じの名場面に準えて意見しちゃったりして。聞けば連れてきた仔に次女、そして腹には三人目が宿ってるというではないか。和平調停に努めるのが役目のはずの実家まで頭に血が上ってどうするっ!懺悔の値打ちも無いまあ娘に対しては森繁のように向き合いながら、やるせない気持を匪石に吐き出してんだーと解釈しても孫の前では佳き祖母ちゃんでいて頂きたく。