こんなものを書いてみました。 | 悠志のブログ

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ぷくぷくぷくぷくぷくぷく。

 

たあれもいない

 

 

たれかが
すんでいた
ふるい いえ

かべつちが
くずれ
おくが
みえている

ほうきが
さかさに
たててある

ひきどが
みしりと
おとたてた

いるの
「いないよ」

いるの
「いないよ」

たれだろう
たれかがこたえる

たあれ
「たれだろ」

いるの
「いるよ」。

 

 

夕さりのみち

 

 

竹やぶの

うすい

やみ

 

たあれも

いない

 

旧いお堂があり

風が

とおる

 

その奥に

公孫樹の大樹

 

そこいらから

声が

したけれど

何だか

よく

わからない

 

鴉が

啼いたのか

たれかの

悲鳴なのか

それとも

 

女の子が

ひとり

たっている

 

声を かけても

こたえない

 

夕さりの

さむい みち。

 

 

指田悠志