人の話を遮る子は、読解力がつきません。 | 総合国語塾の徒然話

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こちらが説明をしている途中に、話を遮ってまで質問したり、別の話題をしたりする子は、読解力がつきません。

子どもに説明するときは、頭の中へ抵抗なく入っていくように、できるだけわかりやすく語りかけています。このとき、聞く方はこちらが伝えようとすることをしっかりつかみ取らねばなりません。その姿勢で話を聞こうとすれば、理解しようと頭を使うため無言になります。これを逆から捉えると、こちらが語っているのに話かけてくる子は「人の話を真面目に聞いていない」ということです。

これは文章を読む姿勢にそのまま反映されます。つまり「人の話を真面目に聞かない子」は、「人が書いた文章を真面目に読まない子」です。高校生が「読解力不足」を訴える場合は、語彙力不足や、恣意的な解釈に起因するものが多かったりするのですが、小学生の場合はそもそも真剣に読んでいないケースが多いのです。子どもですから精読意識がさほど高くないのですね。

これを根本から正すには、まずは「ちゃんと文を読む」ことから始めねばなりません。日常にあてはめると、「ちゃんと話を聞く」ということです。相手が話をしているときに自分が話をすると、その主張や伝えたい本質を理解できません。もしお子さんにそんな傾向があるならば、気付かせて直しましょう。

私の場合、生徒がそんなことをしたらすぐに話をやめます。そして「今、君に説明をしていたね。その話を遮るということは、もう内容を理解したということだ。それじゃ、僕が何を伝えたかったのか説明してごらん。」と促します。

もちろん答えられません。急なプレッシャーに固まる子がほとんど。こうして緊張感を与え続けると、だんだんこちらの説明も聞くようになりますし、文章も真面目に読むようになります。読解の第一歩がこれで踏み出せました。

読解以前の、初歩の初歩ですがこうしたことを意識せず、すぐ問題に取り組ませる保護者は多いのではないでしょうか。まずは人の話をじっくりと聞く姿勢を育てましょう。行動にも落ち着きがでるようになりますよ。

ところで、これは何も子どもに限ったことではありません。「私も読解が苦手だったなあ。」とつぶやくあなた。普段、人の話を遮ってまで自分のことばかり話していませんか?いかがですか?