先日、国の労働政策研究・研修機構から発表された「パートタイムや有期雇用の労働者の活用状況等に関する調査」によると、「有期雇用でフルタイム」の労働者を雇用している企業の割合は33.2%、「無期雇用でパートタイム」は45.0%、「有期雇用でパートタイム」は33.5%。トータルすると「有期雇用」の労働者を雇用している割合は43.6%で、「パートタイム」の労働者を雇用している割合は66.6%、「有期雇用」と「パートタイム」のいずれかを雇用している割合は72.9%となりました。

 

「パートタイム」や「有期雇用」の労働者の活用理由(複数回答)

●有期雇用の労働者の場合

①「定年退職者の再雇用のため」(51.6%)

②「経験や知識、技能のある人を活用するため」(30.6%)

③「労働者自身が(正社員とは異なる働き方を)希望したため」(27.3%)

④「簡単な内容の仕事や、責任が軽い仕事のため」(20.5%)

⑤「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」(19.5%)

●パートタイムの労働者の場合・・・続きは、こちら

今回は、働き方改革のポイント③「年5日の年次有給休暇の取得義務」について、ご紹介したいと思います。

 

「年次有給休暇の5日取得義務」とは、年10日以上の付与日数がある場合の措置ですが、正社員のほとんど、またパートや契約社員でも、年10日以上ある場合は対象となります。

労働政策研究・研修機構の調査(2010年)では、正社員の少なくとも3割くらいは、年5日未満の取得となっていました。つまり、これらの労働者を雇用している企業は新たな規制では違法となります。違反となった場合には、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」というペナルティに課せられます。

なお、違法とは言えないものの、もともと完全週休2日制だったのを、「隔月1回の土曜は出勤日」と就業規則を変更した上で、その日を計画年休とするという方法が見られますが、法律の本来の趣旨とは沿わない方法と言えます。

 

働き方改革が徐々に浸透していくなか、働く従業員や求職中者にとって、働きやすい職場環境か否かが重要な選択肢になりつつあるのは、周知の事実となっていますが、企業としては、いかにして自社に適した取組みを見出せるかがポイントになっていきます。

「なぜ法制化されたのか」「企業にとってのメリットとは何か」「どのように準備をすればよいか」これらに照らして考えてみる必要があります。

 

今回のテーマである「有給休暇の取得義務」でみてみると、・・・続きは、こちら

 

昨年12月に労働政策審議会で要綱が認められ、令和3年1月1日から施行される予定となっている「介護休暇・看護休暇の柔軟化」ですが、どういった内容がポイントなのかを少しお話したいと思います。

●就業時間の「中抜け」は原則認められません

1時間単位取得のねらいは、例えば、以下のような突発的な対応を行う場合など、短時間でも柔軟に取得できるようにすることで、介護や看護による離職を防ぐことにあります。

 

 ・介護専門職との相談、子の健康診断、予防接種・・・

 

取得の要件としては、始業時刻から又は終業時刻までのそれぞれ連続することとされていて、就業時間の間に抜けて復帰するという「中抜け」は想定されていません。

また、事業主が、労働者側のニーズを踏まえて、どうしても必要な場合には取得が可能となるよう配慮する旨を指針で定めることになっています。

 

また、取得時間については、1時間未満の端数が生じる場合に1時間に切り上げすることや、逆に15分単位での取得を認めるなど、労働者が不利益を被ることのないよう配慮することも通達で認められる予定です。

 

●所定労働時間4時間以下の労働者の取得可能に

これまで半日単位の取得対象から除外されていた短時間労働者(所定労働時間4時間以下)に対する除外規定は削除され、1時間単位で取得できるようになります。

 

一方で、労使協定を締結することで、業務の性質や実施体制に照らして、1日未満単位での取得を拒むことができた困難業務については、現行の半日単位での取得が困難な事例に倣い、指針で以下のようになります。→続きは、こちら

 

今回は、働き方改革のポイント②「勤務間インターバルの導入」について、ご紹介したいと思います。

 

②勤務間インターバルの導入

~概要~

勤務間インターバルと聞いても聞き慣れない言葉と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、勤務間インターバルとは、1日の終業後、翌日の始業までの間に、一定の休息時間(インターバル)を設け、生活時間や睡眠時間をしっかり取りましょうというものです。

 

例えば、その日の業務が多忙で23時まで残業してしまった場合に、通常であれば、翌日は8時からの始業ですが、休息時間(インターバル)を11時間取るために、10時に始業時刻を後ろ倒しすることになります。

もちろん、21時以降の残業を認めずに、休息時間(インターバル)を確保する方法もありますが、業務上、仕方がないケースも考えられます。

 

この制度は、始業終業の定時にとらわれず、一定の休息時間を確保することで、働く人が十分な生活時間や睡眠時間を確保でき、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることができるようになると考えられています。

「勤務間インターバル」は、働き方の見直しのための他の取組みとあわせて実施することで一層効果が上がると考えられ、健康やワーク・ライフ・バランスの確保策として期待されています。

 

始業終業時間にとらわれない働き方として、・・・続きは、こちら

障害者の方を雇用されている企業に対して、新たに給付金が支給されることになりました。この特例給付金制度は、短時間であれば就労可能な障害者の方の雇用機会を確保する目的で創設されます。施行は令和2年4月1日からの見込みです。

 

背景として、なかなか週20時間以上の就労ができない障害者の方の雇用を促進するため、週10~20時間未満でなら勤務可能な障害者を雇用している企業に対し給付金(常時100人超を雇用する事業主は月額7000円/人、100人以下は月額5000円/人)が1年分毎年支給されます(支給期間に限定なし)。

 

ただし、この給付金の申請は、毎年4/1から5/15(100人以下は7月末)までに、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対し、障害者雇用納付金、調整金又は報奨金の申請と同時に行うこととされていて、週20時間以上の障害者数を上限としていますので、この短時間勤務の障害者を雇われていても、週20時間以上の障害者数が0の場合には、支給対象とはなりませんので注意が必要です。

なお、今回の対象者は・・・続きは、こちら