現実逃避の妄想人生 -2ページ目

現実逃避の妄想人生

つらい現実を忘れるには妄想が一番。
そのまま夢の世界の住人になったとしても、悔いはない。
むしろもう現実になんて戻りたくない。

志村「加藤さん」

加藤「どうした?志村」 

志村「金貸して下さい」 

加藤「なんだよ朝っぱらから」 

志村「なんか今月給料少なくて」 

加藤「そうなの?」 

志村「はい」 

加藤「志村、俺には敬語じゃなくていいって言ったろ?」 

志村「ああ、うん。でもいかりやさんに誤解されそうだし」 

加藤「まだ気にしてんのか」 

志村「…………」 

加藤「長さんが何を言ったか知らないけど俺は長さんと付き合ってないから」 

志村「…うん」 

加藤「俺が好きなのは志村なんだよ」 

志村「いかりやさんに嫌われたら給料貰えないし、ドリフやめさせられても困るし」 

加藤「何言ってんだよ。ドリフは俺と長さんで作ったんだ。俺がいいって言ってんだからいいんだよ」 

志村「でもいかりやさんがリーダーだろ」 

加藤「関係ないよそんなの」 

志村「…………」 

加藤「何を怖がってるんだよ」 

志村「いかりやさんは怖い」 

加藤「俺がそばにいるだろ」 

志村「…………」 

加藤「志村は俺が守ってやるから」 

志村「加藤さんと仲良くしてるといかりやさんに物凄い顔で睨まれる」 

加藤「気にするな。はい、金」 

志村「ありがとう」
加藤「おはよう志村」 

志村「おはようございます」 

加藤「お前なんで先に行っちゃうんだよ。冷たいじゃないか」 

志村「すみません」 

加藤「それよりさ、今夜ダメ?」 

志村「…………」 

加藤「なぁ、いいだろ?志村」 

志村「いかりやさんと…」 

加藤「え?」 

志村「いかりやさんと付き合ってるって」 

加藤「誰が?」

志村「加藤さんが」 

加藤「誰と?」 

志村「いかりやさんと」 

加藤「なんで?」 

志村「え?」 

加藤「ん?」 

志村「いかりやさんと加藤さん付き合ってるんですか?」 

加藤「付き合ってるって?」 

志村「恋人として」 

加藤「んなわけないだろお前。なんでだよ」 

志村「だっていかりやさんが…」 

加藤「????」 

志村「……………」
いかりや「志村」

 志村「いかりやさん、おはようございます」 

いかりや「お前加藤の家に住んでるらしいじゃないか」 

志村「あ、はい。居候させてもらってます」 

いかりや「加藤とどういう関係だ」 

志村「…師弟関係ですけど」 

いかりや「それだけか?」 

志村「どういう意味ですか?」 

いかりや「言っておくぞ。加藤は俺のもんだ」 

志村「は?」

 いかりや「加藤は俺と付き合ってるんだ」

 志村「え?そうなんですか?」 

いかりや「そうだ」 

志村「…………」 

いかりや「お前も加藤が好きなのか?」

 志村「いえ、俺にとってはいかりやさんも加藤さんも師匠ですが」 

いかりや「それだけか?」 

志村「はい」 

いかりや「加藤には指1本触れていないんだな?」 

志村「はい」 

いかりや「それならいいんだ。加藤は俺のもんだってことを覚えておいてくれ」 

志村「わかりました」